次世代の近交係数とは、現在生存中の全雌牛に対して、ある種雄牛を供用して生産される子牛の近交係数のことです。
次世代の近交係数は、現在生存中の全雌牛から各1頭、雌子牛がかならず生産されるものと仮定して推定されています。
ここで、現在生存中の全雌牛とは、データ抽出日において、北海道で自動登録された生後3ヶ月齢以上のホルスタインの内、牛の個体識別情報で生存が確認できた雌牛を対象にしています。
次世代の近交係数としては、各供用種雄牛における"平均値"、"最頻値(モード)"および"6.25%以上になる割合"の3種類の情報を示しました。"最頻値"とは、もっとも多く生産される可能性のある子牛(次世代)の近交係数を示しています。
次世代の近交係数の分布は、正規分布していないので、"平均値"と"最頻値"が一致しないことに注意してください。
例として、ある種雄牛における次世代の近交係数の分布を示しました。この種雄牛を供用した場合、現在生存中の全雌牛の73%からは、近交係数6.25%以下の子牛を生産できますが、27%の雌牛からは近交係数6.25%以上の子牛が生産される危険性があるので、気を付けてください。
近交係数の急激な上昇は、悪性劣性遺伝子の発現や近交退化現象によってホルスタインの生産能力低下が懸念されます。
そのため、近交係数の上昇を可能な限り鈍化させる必要があります。
供用可能種雄牛における次世代の近交係数を利用することで、近親交配を回避し、近交係数の上昇を抑制するためのアウトクロス種雄牛(Out-Cross Bull)を見つけ出すことができます。
北海道の酪農家であれば、"ホルスタイン登録牛交配相談"、"ホルスタイン登録牛近交回避"および"種雄牛選定システム"を利用することができます。
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