一般社団法人日本ホルスタイン登録協会北海道支局では、後代検定候補種雄牛の作出や受精卵の採卵などホルスタインの改良に広く役立ててもらうために未経産の遺伝情報(PA)を定期的にホームページで開示しています。


目次
1.PA-NTPの情報
2.PA情報とは?
3.掲載基準
4.掲載の回数
5.PA-NTPの分布とパーセンタイル



1.PA-NTPの情報

 PA-NTPとは、PAから算出したNTPのことです


GenIUS 
未経産牛のPA情報を検索する場合は上記リンクをクリックしてください。

上位1,000頭の遺伝情報ファイルを入手するにはこちらのボタンをクリックしてください。


両親の遺伝評価値の公表年月日
  現在 次回
更新(予定)日 2024年8月14日 2024年12月6日
父牛 国内 2024年8月 2024年8月
海外
(MACE評価)
2024年8月 2024年12月
母牛 2024年8月 2024年11月

2.PA情報とは?

 PAとは、parent average(両親平均)の略称です。つまり、両親のBV(育種価)の平均値をPAと呼んでいます。PAは形質ごとに以下の式で計算しますので、両親がBVを持っていなければ、計算できません。


PA計算式


 PAは、BVを持たない未経産牛やヤングブルの遺伝的水準を表す代用品的な数値として利用されます。PAはあくまでも代用品であり、BVとPAは同じ意味を持つ数値ではありません。BVとPAの関係は、以下の式で表わすことができます。


BV計算式


 BVは、PAとMS(メンデリアンサンプリング効果)によって構成されています。PAは父牛と母牛から共通に伝達される平均的な遺伝子の効果です。一方、MSは父牛と母牛が同じ兄弟(全兄弟)の間でも、遺伝的なバラツキが生じることを説明するための効果です。精子や卵子が作られる時、減数分裂が起こることで、各々1対(父由来と母由来)存在している対立遺伝子が1個ずつになります。その時の対立遺伝子のどちらが精子や卵子の中に入って伝達されるかは、まったく偶然によります。そのため、MSは、雌牛であれば本牛の検定記録、種雄牛であれば娘牛の検定記録(後代検定)を利用することで、実際の能力を調べなければ正確にわかりません。PAは、BVが推定されるまでの代用品です。すでにBVが推定されている個体は、PAを利用する意味がありませんので、注意してください。


3.掲載基準

 掲載対象雌牛は、以下の基準を満たした個体です。

  1.  社団法人日本ホルスタイン登録協会登録規程第29条並びに個人情報保護規定・個人情報保護方針の2の⑤および4の2)の①にしたがい、本会が実施する検定成績証明の牛群ごとの申し込みのあった農家が所有する個体であること。それ以外は、PA情報のみとし、個体や所有者が判断できる情報は掲載しません。
  2.  日本の血統登録番号を持つ未経産牛(4~36ヵ月齢)であり、同時にNTPを持たないが、両親はNTPを持つ個体であること。
  3.  PAから算出したNTPで、上位1,000頭以内に相当するもの。ただし、同列順位が複数存在する場合は、掲載牛が1,000頭を越える場合があります。掲載順は、PAから算出したNTPの降順とします。

4.掲載の回数

 独立行政法人家畜改良センターから雌牛の遺伝評価値が公表されるごとに(毎年3回)、最新の情報を掲載します。具体的には、2月、8月および12月の雌牛評価値が公表された後のなるべく早い時期に更新することにしています。

5.PA-NTPの分布とパーセンタイル

 PA-NTPは、通常のNTPと比較して標準偏差(バラツキ)が小さくなります。理論上、PA-NTPのバラツキは、NTPよりも70%程度小さくなります。

NTPとPA-NTPにおける雌牛の分布
  雌牛数  平均  標準偏差  最大  最小 
NTP 114,462  2,335  299 
PA-NTP 94,281  2,595  255  +3,628  +860 

・NTP:独立行政法人家畜改良センター国内評価概要2023-8月から抜粋した現検定牛におけるNTPの平均と標準偏差。最小と最大は未公開。
・PA-NTP:日本の血統登録番号を持つ未経産牛(4~36ヵ月齢)で両親がNTPを持つ個体(国内種雄牛の娘牛のみ)。

 PA-NTPの分布表とパーセンタイル表を入手するには、こちらのボタンをクリックしてください。


令和6年8月14日更新

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