「乳器と肢蹄の得率」については、すべての国で評価されている。「乳用牛の特質」については11ヵ国で評価されているが「外貌と体積」については国によって評価の名称や評価部位が異なっているため統一する必要に迫られている。また、乳牛改良の世界的傾向として遺伝的泌乳能力は飛躍的な伸びを見せたが、近交係数の上昇などにより体の弱さも見られ、生涯生産能力および繁殖性の向上の観点から、(1)「乳用牛の特質」は肋の開張に加え胸底の広さや体の深さが加わり、名称を「乳用性と強さ」に変更。(2)「外貌」は「骨格」に変わり胸底の広さと体の深さ、尻の形状と腰の強さ、体高に合ったバランスの良い骨格となっている。(3)「体積」については、骨格と乳用性と強さで評価をするため、体積単独での評価はなくなります。
*改善された日本の審査データ
「国際間の遺伝相関」について、オランダNRSで遺伝分析を担当しているGerben de Jong博士の講演要旨はつぎのとおり。
(1)WHFFは10年以上にわたり線形形質の国際調整を行ってきた。(2)各形質の明確な定義の公表、審査委員のワークショップによる国際的規模のトレーニングによって10年前と比較すると、国際間でより統一されたスコアを付けるようになった。(3)'05年8月のインターブル体型遺伝評価に使用した18ヵ国、全19形質の遺伝相関の平均と各形質の国間の相関について説明を受けた。(表-1)
講師のJong博士より「日本の審査情報は、以前のデータと比較すると非常に高い相関を示し、短期間で質の良いデータに改善された」旨の報告があった。
しかし国際標準においては尻幅の評価部位は、坐骨幅に変更されており、一方、日本のデータはカン幅で遺伝評価されているため早期に変更されるようにとの助言があった。現在、日本の審査ではカン幅と坐骨幅両形質のデータ収集を行っており、坐骨幅の遺伝評価が可能に成り次第変更することになっている。
なお、国際間比較でかなり低い相関を示している国に対しては、「このようなデータで国際評価するには問題がある。即刻改善されたい」と強い指摘を行った。