2006-1

平成18年 年頭のご挨拶
代表理事組合長 北  良 治
 新年あけましておめでとうございます。
 平成18年の輝かしい新年を迎え、謹んで年頭のご挨拶を申し上げます。
 昨年は、世界的な地球温暖化の影響による異常気象や地震等に翻弄された年でありましたが、北海道内においてはその影響は少なく総体的に農作物の出来も良く豊作に恵まれた年でございました。
 一方、酪農を取り巻く環境は、WTO農業交渉の行方が不透明なことや国内において米国産牛肉輸入再開が決定される中での今後の国産牛肉の動向そして生乳生産量が回復基調に転じたことにもかかわらず牛乳の消費低迷は依然歯止めがかからない状態であることなど、解決すべき課題が山積されている状況にあります。
 日本の食料供給基地北海道として、特に酪農産業においては引き続き酪農経営における生産費の節減に努め国際的にも対応できる体質の改善・強化を図り、一方で、牛乳の消費においては北海道をはじめ関係団体一丸となって消費拡大を図ることが肝要と考えるところであります。
 当組合としては、乳牛改良を通して酪農経営の効率化と安定向上に寄与するため、改良の基礎である登録事業について、特に自動登録システムへの理解と加入促進に努めるとともに、登録農家への情報還元として登録情報を活用した近交回避や交配情報等、地域に密着した改良情報を還元すべく、今後もさらに拡大していく計画をしております。
 一方、家畜市場・流通事業については、先述の米国産牛肉輸入再開による影響は必至であるものの、独自の特色を活かしつつ乳用素牛の供給を基本として、経費節減を図りながら効率的かつ利便性のある市場・流通運営に努めてまいります。
 さて、昨年の11月栃木県で開催されました第12回全日本共進会において、次回(5年後)の開催地は北海道に決定したことを、改めてご報告いたします。
 開催場所は、早来町の北海道ホルスタイン共進会場で、時期は、10月第2週末を予定しております。
 今後は、5年後の全共開催を見据えながら、現状の共進会のあり方や運営方法も含めて協議を深めていかなければならないと考えております。従いまして、2月開催の組合員協議会において皆様からの意見要望を拝聴し今後の共進会運営に役立てて参りたいと計画しておりますのでよろしくお願い致します。
 いずれにいたしましても、役職員一丸となって諸事業の実施・推進にあたり組合の健全経営に努力してまいる所存であります。
 平成18年が皆様にとって素晴らしい年となることとご家族のご健勝とご繁栄をご祈念申し上げ新年の挨拶といたします。

平成17年度地区組合員協議会開催のお知らせ

2月6日(月)から2月17日(金)まで全道10地区で
 今年度の地区組合員協議会の開催日程が決まりました。本協議会では、組合事業の進捗状況を説明いたしますとともに、組合員の皆様の組合運営や実施事業に対するご意見やご要望を拝聴し、それらを今後の事業に反映していくために欠かすことのできない重要な協議会であります。また、同じ管内の組合員の方々、あるいは役職員との懇談を通して親睦を深めていただくことも目的のひとつであります。
 組合の基幹事業である乳牛の登録業務は皆様および関係団体のご協力により自動登録が着実に進み、無登録の解消による登録頭数の増加がもたらされております。引き続き無登録解消による改良集団の確保、それによる乳牛改良の推進を図っているところであります。
 また、今年度の大きな行事でありました第12回全日本ホルスタイン共進会も無事終了し、次回5年後の2010年には早来町の北海道ホルスタイン共進会場で第13回全日本ホルスタイン共進会が開催されることが決定しております。
 これは当組合が全力を挙げて成功に導かなければならない大事業であります。ナショナルショウの問題も含めてこれらについても少しずつ準備に取り掛かっておりますが、皆様のご意見やご要望をお聞きして推し進めていかなければなりません。
 時節柄ご多用のことと存じますが、地元開催の地区組合員協議会に是非ご出席いただき、貴重なご意見・ご要望をお聞かせください。
 なお、会議終了後には懇親会も計画しておりますので合わせてご出席くださいますようご案内申し上げます。
                 記
【主な議題】
1.平成17年度事業実施状況
2.平成18年度事業計画骨子(案)
3.北海道ホルスタインナショナルショウの今後のあり方
4.次期役員改選に伴う地区役員選任推薦委員
平成17年度       地 区 組 合 員 協 議 会 日 程
地  区
月  日
地元協議会
組合協議会
場      所
石 狩
 平成18年  
2月6日(月)
11:00
13:30
札幌全日空ホテル
 札幌市中央区北3条西1丁目
  TEL 011-242-1885
後志・道南
8日(水)
11:00
13:30
くっちゃん温泉 ホテルようてい
 倶知安町旭69
  TEL 0136-22-1164
胆振・日高
9日(木)
11:00
13:00
グランドホテル ニュー王子
 苫小牧市表町4丁目3-1
  TEL 0144-31-3111

上 川

10日(金)

11:00

13:30

旭川ターミナルホテル
 旭川市宮下通り7
  TEL 0166-24-0111

宗 谷
11日(土)
11:00
14:00
うたのぼり グリーンパークホテル
 枝幸郡歌登町ペンケナイ
  TEL 01636-8-3101
空知・留萌
12日(日)
11:30
14:00
ホテル サンプラザ
 岩見沢市4条東1丁目
  TEL 0126-23-7788
 
北 見
14日(火)
13:30
15:00
温根湯温泉 大江本家
 常呂郡留辺蘂町温根湯
  TEL 0157-45-2511
根 室
15日(水)
11:30
13:00
ウエディングプラザ 寿宴
 中標津町東3北1
  TEL 01537-2-9611
釧 路
16日(木)
13:00
14:30
釧路プリンスホテル
 釧路市幸町7-1
  TEL 0154-31-1111
十 勝
17日(金)
11:00
13:30
帯広東急イン
 帯広市西1条南11丁目2
  TEL 0155-27-0109

7回世界ホルスタイン審査委員ワークショップ

26ヵ国・50名が参加、オランダ・アムステルダムで開催

注目された日本の雌牛集団、後代検定の信頼度が課題
昨秋9月15~17日の3日間、オランダ・アムステルダム郊外のナーデンに於いて26ヵ国50名が参加し、「第7回世界審査委員ワークショップ」が開催されました。わが国から日ホ大西信雄登録部次長、河合徳太郎顧問と小職が出席しましたので、その概要について報告します。
 このワークショップは、1986(昭61)年ドイツのブレーメンで開催の「黒白斑牛登録協会欧州連盟」会議において、「国際的な遺伝評価統一のためにも体型審査法の国際調整が必要である」との協議結果を受け、1988年に世界ホルスタインフリージアン連盟(WHFF)がワーキンググループを編成したのが始まりで、1990(平2)年9月イタリアのクレモナで第1回世界審査委員ワークショップが開催されて以来今回で第7回目となります。
 ワーキンググループの設置とワークショップの開催により今ではWHFF加盟39ヵ国の95%が「体型審査の国際調整プログラム」の勧告に従った体型審査方法を採用しています。

民族衣装で記念写真に納まるワークショップ参加者の皆さん

 1980年代の体型データは、国際調整されずに収集されていたため、各国の審査データから直接遺伝評価を推定し、種雄牛を比較することは不可能でありましたが、国際的に統一された大量の体型情報が収集された結果、種雄牛の国際評価の基準を確立し、MACEの計算を可能にするなど大きな成果を挙げています。

*新たな体型得点形質についての勧告
 開会初日は、NH Hotel Naardenに於いて地元オランダNRSのArie Hamoen氏(ワークショップ代表委員)が座長となり、前回からの懸案事項や国際間の遺伝相関、新たな国際標準形質等について終日活発な検討会議が行われました。
 最初の議題は前回'03年4月、カナダのケベックで行われた第6回ワークショップでの決定事項、および線形式体型形質の国際標準形質(16形質)の定義、線形スコアの尺度、体型得点形質の国際調整、体型審査の国際評価システムにかかる勧告事項について、座長のArie Hamoen氏より報告がありました。特に体型得点形質については、すべての国が次の大区分4形質を基に審査を行うよう勧告案が示されました。

*Frame ・・・・・・・・・・骨格(尻を含む)
*Dairy Strength・・・・乳用性と強さ
*Feet and Legs・・・・肢蹄
*Udder ・・・・・・・・・・乳器

 「乳器と肢蹄の得率」については、すべての国で評価されている。「乳用牛の特質」については11ヵ国で評価されているが「外貌と体積」については国によって評価の名称や評価部位が異なっているため統一する必要に迫られている。また、乳牛改良の世界的傾向として遺伝的泌乳能力は飛躍的な伸びを見せたが、近交係数の上昇などにより体の弱さも見られ、生涯生産能力および繁殖性の向上の観点から、(1)「乳用牛の特質」は肋の開張に加え胸底の広さや体の深さが加わり、名称を「乳用性と強さ」に変更。(2)「外貌」は「骨格」に変わり胸底の広さと体の深さ、尻の形状と腰の強さ、体高に合ったバランスの良い骨格となっている。(3)「体積」については、骨格と乳用性と強さで評価をするため、体積単独での評価はなくなります。

*改善された日本の審査データ
 「国際間の遺伝相関」について、オランダNRSで遺伝分析を担当しているGerben de Jong博士の講演要旨はつぎのとおり。
(1)WHFFは10年以上にわたり線形形質の国際調整を行ってきた。(2)各形質の明確な定義の公表、審査委員のワークショップによる国際的規模のトレーニングによって10年前と比較すると、国際間でより統一されたスコアを付けるようになった。(3)'05年8月のインターブル体型遺伝評価に使用した18ヵ国、全19形質の遺伝相関の平均と各形質の国間の相関について説明を受けた。(表-1)
 講師のJong博士より「日本の審査情報は、以前のデータと比較すると非常に高い相関を示し、短期間で質の良いデータに改善された」旨の報告があった。
 しかし国際標準においては尻幅の評価部位は、坐骨幅に変更されており、一方、日本のデータはカン幅で遺伝評価されているため早期に変更されるようにとの助言があった。現在、日本の審査ではカン幅と坐骨幅両形質のデータ収集を行っており、坐骨幅の遺伝評価が可能に成り次第変更することになっている。
 なお、国際間比較でかなり低い相関を示している国に対しては、「このようなデータで国際評価するには問題がある。即刻改善されたい」と強い指摘を行った。

表-1 
インターブルによって分析された19形質の国間遺伝相関の平均  表-1には、各体型形質における国間の遺伝相関の平均値を示した。国間の遺伝相関は、種雄牛国際遺伝評価(MACE)に欠かせないものであり、同一の種雄牛であっても国により序列が異なる現象を説明するために利用される。種雄牛の序列が国により異なる原因としては各国の飼養環境の差や遺伝評価手法の違いなどがあげられるが、体型形質の場合は、審査方法がどの程度国際調整されているかも影響する。国間の審査方法が統一されてくれば、この遺伝相関は上昇し、限りなく1に近似するはずだが、飼養環境の差や遺伝評価手法の違いなどの原因があるため、1にはならない。
‘01-5
‘02-5
‘03-11
‘05-9
高さ
0.89
0.92
0.91
0.92
胸の幅
0.76
0.79
0.79
0.80
体の深さ
0.75
0.79
0.80
0.82
鋭角性
0.76
0.78
0.76
0.78
尻の角度
0.93
0.94
0.94
0.95
尻の幅
0.75
0.83
0.84
0.84
後肢側望
0.82
0.85
0.84
0.85
後肢後望
0.77
0.79
0.76
0.76
蹄の角度
0.57
0.68
0.66
0.68
前乳房の付着
0.74
0.79
0.80
0.83
後乳房の高さ
0.74
0.81
0.82
0.84
乳房のけん垂
0.77
0.80
0.78
0.80
乳房の深さ
0.90
0.94
0.95
0.96
前乳頭の配置
0.89
0.92
0.91
0.94
乳頭の長さ
0.96
0.96
0.95
0.96
後乳頭の配置
0.96
0.96
決定得点
0.67
0.73
0.70
0.73
乳器
0.74
0.77
0.76
0.78
肢蹄
0.60
0.67
0.67
0.69
※この遺伝相関の平均は、ある国と他国との平均遺伝相関を基礎にしている。ここでは‘01-5の遺伝相関が0.89であったものが‘05-9には0.92まで高くなったことは、各国間の評価が年々統一されてきていることを示している。


*統一された歩様の定義

 将来国際標準形質になる可能性のある歩様、後乳房の幅、ボディ・コンデション・スコアの3形質については、ドイツ、United Information SystemsAnimal ProductionのStefan Rensing博士の担当により講演と検討会が行われた。
 歩様の形質については、評価の定義が統一されていないため、前回のワークショップで継続検討課題となっていた形質であり、日本も前回示された仮の評価定義に沿って'04年4月より試験的にデータの収集を行っている。
 Rensing博士からは、'05年7月現在13ヵ国が歩様の審査を実施しており、歩様と肢蹄各形質の国別遺伝相関についてと、今回の研究会のため日ホ北海道支局から提出した、歩様と肢蹄各形質の表型相関資料について分析結果の説明を受けた。日本とドイツにおける歩様と肢蹄得率の高い相関は、肢蹄の機能性に関して歩様がいかに重要であるかを示唆している。早くからこの形質を取り入れているフランスやイギリス、オランダでは、歩様のスコアを肢蹄の得率に置き換えたり、在群期間を早期に予測するためのデータとして利用している。
 歩様のデータ収集については重要なデータであるとの認識はあっても、国によって飼養環境が大きく異なるため、データの収集については賛否両論意見の分かれる形質である。今回日ホ北海道支局が提出した歩様のデータ収集は、フリーストールやフリーバーン農家に限り実施したデータである。わが国における酪農家の飼養形態は多くがスタンチョン方式であり、フリーストールやフリーバーン農家は17.5%と少ない状況である。
 そのため分析の結果、今後歩様が非常に重要な形質であると判明したとしても、すべての農家で歩様の審査を実施することは多くの困難を伴うものと推察される。可能な範囲で今後も継続調査を行っていくと言う我々の姿勢に対し、Rensing博士からは「日本の努力に敬意を表する。他の国も日本を見習ってできる範囲からデータ収集を行うように…」との要請があった。
 なお、国際統一されていなかった「歩様の評価」の定義については、今回新たな定義と基準が示された。

*継続審議となった後乳房の幅
 前回のワークショップにおいて、後乳房の高さの他に新たな標準線形形質として「後乳房の幅」の問題が浮上し、継続調査を行うこととなっていたが、アメリカ、カナダ、日本など10ヵ国が既に長い期間データを採用している。今回の研究会資料として5ヵ国から報告があり、特にイタリアの研究報告と日ホ北海道支局からのレポートが紹介された。イタリアと日本のデータからは後乳房の幅と産乳能力との間に他の形質よりかなり高い正の遺伝相関が存在していることから、産乳能力の選抜に対して期待できるデータであるとの評価を受けた。
 後乳房の幅については、評価している国が10ヵ国程度に限られているため、更に情報分析を進め国際標準形質とするか否かについて継続審議することとなった。


*11ヵ国が実施のボディ・コンデション・スコア

 ボディ・コンデション・スコア(以下BCS)については、ドイツのRensing 博士とLelystad・The Netherlands 所属のRoel F. Veerkamp両氏から講演があり、Rensing博士からはBCSのアンケートについて回答のあった17ヵ国中、既に10ヵ国がこの形質の評価を実施しており、内5ヵ国が遺伝評価を行っている。また、近々にこの形質の評価をスタートさせる国が4ヵ国、調査中が1ヵ国で主要国の大半がBCSを採用している。
 BCSは、飼料給与のコントロールや飼養管理のアドバイスに利用する道具である。乳期中のBCSの変化は、エネルギーバランスに関連し、さらに繁殖性とも関連している。しかし、BCSは純粋に飼養管理に依存している訳ではなく、遺伝的な影響もあり、各国より雌牛の繁殖性を予測するための形質としてデータを収集すべきであるとの要望が増している。
 ただし、BCSは体型形質としてデータの収集を行うが、審査得点と連動しない形質として取り扱うことになっている。
 さらに各国より「BCSの線形形質としての定義と採点基準を国際調整すべきである。
 BCSは審査委員が記録を収集するだけでなく、雌牛の機能的体型をより完全に説明するためにも国際標準形質として遺伝評価し利用すべき…」との意見が多く、「WHFFは国際調整を図り早急にデータ収集を始めるべきである」との勧告をしている。
 オランダのVeerkamp氏からは、「BCSとエネルギーバランス」と題して講演が行われた。主な講演内容は、BCSと泌乳量および飼料摂取量。高泌乳牛群と低能力牛群の泌乳ステージ毎の能力と体重およびスコアの比較。栄養と発情の関係、ホルスタイン種と他品種の泌乳ステージ毎のスコア比較等であった。
 日本でも近年受胎率の低下が問題となっており、雌牛の繁殖性を予測するための形質としてデータ採用の検討が必要と考えられた。なお、翌日からの牧場研究会においては、供試牛全頭にBCSを付け協議・検討を行った。

コンディションスコア-とエネルギーバランス」と題し講演を行うRoel F Veerkamp氏


*審査実技研究会開催

 16~17日の2日間にわたり、今回協議した新たな審査標準に基づき以前から評価意見の分かれやすい「鋭角性と新たな評価の定義と基準が示された歩様とBCSの評価」について重点的に協議・検討が行われた。
 16日はホテルからバスで30分程の距離にあるVerhoef Holsteins 牧場を借り、参加者を5班に分け、ワークショップの代表委員を務めている国の主任審査委員5名が各供試牛を責任担当し、参加者と協議を繰り返しながら終日研究会を行った。「歩様の評価」については、歩幅や後肢の動き、蹄の方向を重視して評価するため、フリーストール牛舎の床に薄く大鋸屑を敷き、牛を自然な状態で歩かせて歩様の状態や蹄跡の確認を行う等熱心に取組んだ。「鋭角性の評価」については、肋の開張度と後肋の方向のみで評価し、肉の付き方についてはBCSで評価するため、鋭角性の中では考慮しないこととなった。BCSの評価については各国とも評価が統一されているため特に問題はなかった。
 我々に研究会の場を提供して頂いたVerhoef Holsteins牧場は、総面積66ha、(放牧・採草地58.75ha、コーン7.25ha)経産牛114頭、未経産牛90頭、平均乳量9,671kg、乳脂率4.3%、蛋白率3.57%、平均得点82.0点(内20VG)でオランダの個人牧場としてはやや大型経営の牧場である。
 牧場主から歓迎挨拶の後、改良方針の説明をいただいた。体型については肢蹄の強さと乳器の良いものを優先し、体細胞の多いものや乳器の付着が弱く、搾乳性の悪いものは使用していない。
 泌乳能力については蛋白率に気を遣うが、高い生産性を求めるだけの種雄牛は使用しないとの話があった。
 経産牛の父牛は、ロードリリー、セルシアス、ラバ、メジャーなどで、「特にロードリリーは私達の牛群で良く働いてくれるので好きです」とのコメントがあった。
 未経産牛の父牛は、ロードリリーの息子牛のグランドプリックスやデッセンバー、シナトラが多く、今はフューチャー、カービィー、オリンピックを主に交配している。
 フリーストール牛舎に14頭ダブルのミルキングパーラーで昼間は放牧し夜は草主体にコーンサイレージ、ビートパルプ、菜種粕、ビール粕等を混ぜたTMRを給与し、冬期間は夏と同じTMRにオレンジの搾り粕とえん麦を添加している。
Verhoef Holsteins牧場内での「歩様・鋭角性・BCS」の研究をする審査委員

*放牧中心で乳量1万キロ牧場

 17日の実技研究会は、ホテルからバスで北西に1時間30分程走ったOosterhout Holsteins牧場にて実施した。体型的に優れた牧場で'04年のOopmeer Showでロードリリーの娘がシニアチャンピオン。'05年の6万kg以上のクラスでサニーボーイの娘がクラスチャンピオンに輝くなど、オランダを代表するような牛のいる牧場である。
 この牧場での研究会は、実際に放牧中の牛を見て各自がスコア付けした後、参加者同士でデイスカッションを行い、昨日取り決めした評価事項について再確認をしながら進められ、12時過ぎに研究会の全日程を終了した。
 牧場の総面積は70ha。うち14.5haを野菜農家に賃貸し、カリフラワーや長ネギが栽培されていた。逆に牧草地として20haを賃借し、放牧・採草地に72ha、コーン栽培に3.5haを利用している。オランダは牛を飼養する環境基準も厳しく制限されており、特に野菜栽培農家と連携して堆肥処理を行い、これらの農家と輪作体系を組むことが非常に効果的との説明を受けた。
 改良目標は、搾乳性が良く高い生産力と長命なものへの改良で、交配種雄牛は信頼度を重視して選んでいる。以前はサニーボーイを主体に、その後6年間はロードリリーを使い60頭程の娘牛が生産された。これらの他に経産牛の父牛はキャシュ、ラバ、セローを主体に、未経産はグランドプリックス、ローレンゾォなどに加え、昨年はネバダ、スターデールレッド今年はデルタオリンピックを主に使っている。
 この牧場もフリーストール牛舎であり、5~10月までは昼夜放牧で、5月と9・10月は夜に多少のコーンサイレージを給与している。

  
 冬期間の飼料は、1頭当たりグラスサイレージ無制限、コーンサイレージ12kg、ビートパルプ10kg、えん麦1.5kgを給与し、経産牛132頭の平均乳量は10,245kg、乳脂率4.08%、蛋白率3.44%である。
 放牧主体にも拘わらず乳量は1万キロを超えている。体型審査124頭の平均得点は83.3点(EX:1、VG:45)で能力と体型のバランスのとれた牛群である。
 また、冬でも昼間は必ず運動に出しているため、飛節に腫れのあるものは見受けられなかった。フリーストールやフリーバーン牛舎の最大の利点は放牧中心の飼養形態と組み合わせることにより肢蹄が丈夫になり、ストレスが溜まらず発情が明瞭であるとの説明があった。日本はフリーストール牛舎飼養であっても、放牧飼養と組み合わさっていないため、硬いコンクリートの床と糞尿による高い湿度の中に終日いるため、蹄病が多発しているのが現状であり、かなりのストレスが溜まっているものと思われる。特に広い農地を所有している北海道で放牧と組み合わせたフリーストール飼養の普及が期待される。Oosterhout Holsteins牧場の飼養方法は非常に見習うべきものがあると思われた。
Oosterhout Holsteins牧場で放牧中の牛に線形スコアを付け評価事項について再確認をする審査委員

*注目されている日本の乳牛

 今回のワークショップでは、体型審査の国際統一を目指し、様々な議題の協議・検討と実技研究会を行った。国によって大きく飼養環境が違っていても審査の方法や評価する形質について国際統一を図り、そこで評価された遺伝的改良データの活用について、誰もが非常に前向きな考えを持ってこの研究会に参加している姿勢が窺えた。また、今回の研究会に日ホ北海道支局から歩様や後乳房の幅についてのレポートを提出したことにより、私達の考え方に一定程度の理解が得られたものと思料された。ドイツのRensin博士からは日本の他のデータに関しても依頼があれば積極的に協力するとの言葉をいただいた。
 さらに、Rensing博士と今回のワークショップの座長を務められたArie Hamoen氏からは「日本の雌牛の審査データから推察しても、日本には質の高い先進国並の雌牛集団が存在することが判る。日本の乳牛が国際的にさらに認められるためには、後代検定雄牛の信頼度をもっと上げるように改善しなければならない」との助言があった。この助言は1雄牛当たりの後代検定娘牛数や血縁情報の不足などが原因していると思われる。もっと信頼度を上げるためには、1雄牛当たり50頭以上の娘牛確保と、調整交配を行う母牛はすべて血縁情報を持った登録牛に交配することによって、飛躍的に信頼度が改善されるものと考えられる。そのためには酪農家各位の後代検定事業への理解と積極的な参加が今後の乳牛改良の大きな力となり、わが国乳牛の遺伝資源が国際的に注目される時代を迎えることを確信するものです。
*生涯生産能力重視の遺伝評価
 近年世界の乳牛改良の傾向として、長期間に亘って一定の高泌乳を維持し、機能的体型で生涯生産能力の高い牛が求められています。
 諸外国の種雄牛評価には生涯生産性に係わる体型形質などを指数化した生産寿命(生涯生産指数)があります。
 日本の乳牛においても生涯生産性の向上や強健性を改良するため、生産寿命と関係のある乳器や肢蹄が総合指数の中に含まれています。それゆえ、体型審査の重要性がさらに増してきているといえます。
 おわりに、このワークショップを主催されましたNRSの会長はじめ、座長のArie Hamoen氏およびスタッフ各位、そして我々の研究会のために快く牧場を提供いただき、さらには家族全員で我々を温かく歓迎して下さった牧場の皆さまに心から感謝申し上げ、第7回世界ホルスタイン審査委員ワークショップの報告といたします。
【審査部調査役:神 保 孝 之】

お詫びと訂正


 昨年末に組合員の皆様および関係団体にお送りいたしました「2006年版カレンダー」の一部に誤りがありました。ジュニアチャンピオンおよびリザーブ・ジュニアチャンピオンの出品者は清水町 高橋喜一様の誤りでした、深くお詫び申し上げ訂正いたします。

ひとこと

 明けましておめでとうございます。
 年の初めにあたり、今年はなにかチャレンジと思うと“禁煙”が頭に浮かびます。毎年密かに思うことですがなかなか実行出来ません。意思が弱いのか・タバコを吸うぞとの意思が強いのか?
 しかし、世の中は確実に“禁煙”“嫌煙”が優勢で、公共施設・乗り物・会議など禁煙が常識となっています。
 札幌も駅を中心にタバコのポイ捨禁止条例が制定され、市民の憩いの場である大通り公園も灰皿が撤去され、愛煙家の私には寂しい限りです。
 また、WHO(世界保健機関)が喫煙者を雇用しない政策を導入したとメデアで報道されました。
 喫煙は体に悪いことは確かであり、周りのタバコの吸わない人にも悪い影響を与えることは間違いありません。
 昨年暮れ、人間ドックのバリューム検査でバリューム溜まりがあることから胃潰瘍の可能性があり胃カメラの検査をうけることとなりました。また血圧が高くなったこともあり、保健婦さんとの面談で“ストレスは有りますか”“お酒は飲みますか”“タバコは吸いますか”と聞かれ、“ストレスの無い人は居ないでしょう”“酒は飲みません”“タバコは吸います”と返事をすると、タバコは体に悪く、良いことはないので止めることを奨められました。
 おっしゃるとおりでございます。“うんうん”とうなずきながら、内心では仕事や会議後の一服・運動や食後の一服など至福のひと時を奪わないでほしい。
 国民全てがタバコを吸うのをやめたら税金が入らなくなるぞ…と言い訳を考えていた反面、タバコをやめたら、タバコ代が1日500円(30本)で一年で18万円位浮くぞと頭をかすめる。
 何度か“禁煙”といき込みニコレット(ニコチン入りのガム)やパッチ(ニコチン入り)を体に貼りチャレンジしたがことごとく失敗!!
 なぜ自分はタバコを吸うのかと考えてみると、長年の習慣からなのか“禁煙”と思いながら、タバコを吸う理由を探している自分にぶつかる。この「ひとこと」を書きながら何本吸ったのだろうか。
 人に迷惑をかけないよう喫煙マナーを守りながら、“禁煙”“喫煙”と心の葛藤を繰り返し、今年も一年が過ぎていく気がする。
 皆様も年の初めにあたり、あまり気張らないで何か目標を立ててチャレンジしては如何でしょうか。
(Y・哲夫)
 

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