2008-1


平成20年 年頭のご挨拶
代表理事組合長  北  良 治
 新年あけましておめでとうございます。
 平成20年の輝かしい新年を迎え、謹んで年頭のご挨拶を申し上げます。
 昨年の世相を表す漢字一文字は「偽」が選ばれました。北海道から発信された事件もあり、食の安全・安心をスローガンに「北海道ブランド」推進に水を差す不祥事が続いたことはまだ記憶に新しいところであります。
 酪農界では、世界的な原油高とエコエネルギーとして飼料穀物の利用による飼料価格の高騰等、それに呼応するように30年ぶりに牛乳小売価格3円程度の値上げの報道もされておりますが、酪農家の目標とする価格とは掛け離れた結果となっております。
 北海道内において、加工原料乳生産者補給金単価は、飼料価格をはじめとする各種資材の上昇等を踏まえ、北海道酪農の基盤を堅持するべき単価設定されることを強く要請するところであります。
 北海道酪農の基盤である酪農経営を健全に保持することにより、日本の食糧供給基地として安全・安心な農畜産物を生産・供給することができるものと考えております。
 さて、昨年暮れの12月18日に第13回全日本ホルスタイン共進会北海道実行委員会設立総会が開催され、本誌にも詳細掲載しておりますが、2010年10月の開催に向けた実行体制が築かれましたことを報告いたします。
 道庁と開催地の安平町をはじめ34の機関・団体から成る実行委員会を構成し、高橋はるみ北海道知事が会長に就任していただき、安平町・JA北海道中央会・ホクレンそして当組合の代表が副会長を務め、事務局として当組合が担当することとなりました。
 今後は、出品牛の受入体制、具体的なイベント等の企画やインフラの整備等について、幹事会を開催し各団体とともに連携協調を図り取り進めてまいりたいと考えております。
 当組合の次期事業計画につきましては、第13回全共北海道実行委員会への支援を含め、2月に開催の地区組合員協議会において、計画骨子等を協議いただきますが、当組合の基幹事業であります登録事業・市場斡旋事業を中心に役職員一丸となりまして事業推進して参る所存でございますので、よろしくお願い申し上げます。
 平成20年が皆様にとって素晴らしい年となることとご家族のご健勝とご繁栄をご祈念申し上げ新年の挨拶といたします。



第13回全日本ホルスタイン共進会北海道実行委員会

 去る、平成19年12月18日(火)、札幌市京王プラザホテルにおいて『第13回全日本ホルスタイン共進会北海道実行委員会』の設立総会が開催されました。
 実行委員会は、平成22年(2010年)10月8日(金)~11日(月)安平町早来において開催される全日本ホルスタイン共進会に向けて、北海道庁・安平町を始めとした北海道内外の関係34団体が結集協賛し、共進会並びに協賛催事の運営を行います。
 この設立総会では、
1.実行委員会設立の趣意
2.実行委員会規約
3.実行委員会の役員選任
4.大会開催方針
5.平成19年度事業計画・収支予算
などの議題について、検討協議が行われ、承認・可決されましたので、その概要をお知らせいたします。

『第13回全日本ホルスタイン共進会北海道実行委員会趣意書』

 全日本ホルスタイン共進会は、我が国を代表するホルスタイン種乳用牛の資質の向上と酪農の安定的発展を目的として、各都道府県代表牛を一堂に集め、その体型や資質の改良度を競う大会で、昭和26年に第1回大会が神奈川県で開催され、それ以降5年毎に全国の酪農主要県で開催されています。
 北海道酪農の歴史の中で、日本酪農の父と讃えられる宇都宮仙太郎翁が初めて純血種としてホルスタイン種50頭をアメリカから導入(1907年)し、時を同じくして、ホルスタイン種の登録も開始され、本格的な酪農と乳牛の改良が始まったのが今から100年余り前のことであります。
 北海道の酪農家が、厳しい自然と肥沃とは言い難い大地に根付き、「土作り・草作り・牛作り」を連綿と繰り返され築き上げた結果として、個体能力の向上とともに全国の半数を超える乳用牛頭数を占めるまでになったことは、翁の功績によるところが大であると認識している次第であります。
 21世紀に入り、北海道は、我が国の食料の安定供給の確保という重要な責務を担っており、情勢の変化や消費者・生産者の期待に対応するため、生産基盤の強化と安全・安心な農畜産物の生産販売に努めております。
 特に、生乳生産の安定供給の確保に向けた生産性の向上のため、乳用牛の遺伝的改良に積極的に取り組み、能力・体型に優れた乳用牛の作出に努めてきたところであります。
 北海道酪農の基礎を築き、ホル種の導入から100年余りが過ぎようとする中で、今一度、100年という歳月を振り返る意味も込めて、ここ北海道において、第13回全日本ホルスタイン共進会が平成22年度に開催されることとなりました。
 このような意義のある北海道大会を円滑に運営し、成功裡に導くために、北海道並びに地元開催地である安平町をはじめ関係・機関団体が緊密な連携のもとに総力を結集し、万全の開催準備を期する必要があることから、第13回全日本ホルスタイン共進会北海道実行委員会を設立するものである。

北海道実行委員会構成団体名簿(順不同)

  構 成 団 体   構 成 団 体









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11
12
13
14
15
16
17
 北海道
 安平町
 北海道農業協同組合中央会
 ホクレン農業協同組合連合会
 北海道信用農業協同組合連合会
 北海道厚生農業協同組合連合会
 全国共済農業協同組合連合会北海道本部
 北海道農業共済組合連合会
 ㈶ 北海道農業開発公社
 ㈳ 北海道酪農畜産協会
 ㈳ 北海道酪農検定検査協会
 ㈳ 北海道酪農協会
 北海道牛乳普及協会
 ㈳ 北海道乳業協会
 ㈳ ジェネティクス北海道
 ㈳ 北海道家畜人工授精師協会
 ㈳ 北海道獣医師会
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33
34
 ㈳ 北海道家畜畜産物衛生指導協会
 日本ミルクコミュニティ ㈱
 全国酪農業協同組合連合会札幌支所
 雪印乳業 ㈱
 明治乳業 ㈱ 北海道酪農事務所
 タカナシ乳業 ㈱
 よつ葉乳業 ㈱
 サツラク農業協同組合
 上川生産農業協同組合連合会
 日高生産農業協同組合連合会
 十勝農業協同組合連合会
 釧路農業協同組合連合会
 根室生産農業協同組合連合会
 ㈳ 家畜改良事業団十勝種雄牛センター
 ㈱ 十勝家畜人工授精所
 学校法人 酪農学園
 北海道ホルスタイン農業協同組合

北海道実行委員会・幹事会・事務局
組織図

  
実 行 委 員 会 役 員 名 簿   (8団体8名体制)
役 職 氏 名 所 属 団 体 役 職 名
会 長 高橋はるみ 北海道知事
副会長 瀧    孝 安平町長
宮 田  勇 北海道農業協同組合中央会会長
矢野 征男 ホクレン農業協同組合連合会代表理事会長
北  良 治 北海道ホルスタイン農業協同組合代表理事組合長
監 事 枳穀 勝久 ㈳北海道酪農畜産協会会長
伊藤 政光 ㈳ジェネティクス北海道副理事長
飛田 稔章 ㈳北海道酪農検定検査協会会長

幹 事 会 役 員 名 簿    (8団体8名体制)
役 職 氏 名 所 属 団 体 役 職 名
幹事長 西山 泰正 北海道農政部長
幹  事 幅田 和夫 安平町 副町長
西埜 裕司 北海道農業協同組合中央会 参事
松尾 誠之 ホクレン農業協同組合連合会 参事
安東 正史 ㈳北海道酪農畜産協会 専務理事
那須 貞友 ㈳ジェネティクス北海道 専務理事
伊 藤  満 ㈳北海道酪農検定検査協会 専務理事
桑元 忠彦 北海道ホルスタイン農業協同組合 専務理事

第13回全日本ホルスタイン共進会北海道大会開催方針

1.開催期間
 平成22(2010)年10月8日(金)から10月11日(月・祝日)
10月8日(金) 開会式、測定、写真撮影
9日(土) 審査、講評
10日(日) 審査、講評、チャンピオン決定審査
11日(月) 上位入賞牛パレード、閉会式
2.開催場所
 ・北海道ホルスタイン共進会場
 (北海道ホルスタインエキシビションホール)
  住所:勇払郡安平町早来新栄
3.出品頭数
 (出品区分の構成と関連)
 ・ホルスタイン種 380頭
 (一般300頭および後代検定特別枠3部60頭、高校特別枠20頭)
 ・ジャージー種   40頭
 ( 4 区分;未経産 2 部、経産 2 部)
 ・セール牛     50頭
4.酪農資材器具展示・技術交流会場
 ・酪農資材器具の展示・即売
 ・酪農情報・技術資料の展示・配布
 ・北海道酪農業の歴史
 ・乳牛改良(登録・審査・検定)の軌跡
 (宇都宮仙太郎翁の功績も含めて)
5.併催行事
「北海道農畜産物産・酪農機械展」(仮称)の概要
 四大ゾーンの概要は、次のとおり。
 1)北海道内各市町村生産農畜産物の即売会ゾーン
 2)道産食材による飲食店舗ゾーン
 3)酪農機械展示ゾーン
 4)各種催事ゾーン




第8回世界審査委員ワークショップ
イタリアのクレモナで開催

 2007年10月24~27日の4日間に亘り、イタリア北部のクレモナにおいて第8回世界審査委員ワークショップ(以下、WS)が開催されました。
 このWSは世界主要国の登録団体が加盟している世界ホルスタインフリージアン連盟(以下、WHFF)の体型審査部門における専門会議で、最近は2年毎に各国持ち回りで開催されています。そもそもWSの発足は、1986年にドイツで開催された黒白斑牛登録協会欧州連盟会議において、「国際的な遺伝評価統一のために、体型審査手法の国際調整が必要」との協議結果を受け、1988年にWHFFが体型審査部門のワーキンググループ(以下、WG)を設置した事に始まります。1990年に第1回目のWSが今回と同じイタリアのクレモナで開催され、以来、WHFF加盟39ヵ国の大半が「体型審査国際調整プログラム」の勧告に従った体型審査手法を採り入れています。今回は26ヵ国の審査委員など約50名が参加し、日本からは本支局2名の審査委員(栗田、佐藤)と、通訳として河合日ホ相談役が参加しましたので、その概要を報告いたします。

※ イタリア酪農の概要とホルスタイン協会(ANAFI)
 2006年現在、イタリア全土のホルスタイン登録農家戸数は14,069戸で、1,102,655頭が検定を実施しており、その内戸数にして73%、頭数で84%がクレモナを中心とする北部地区に集中している。登録農家戸数は2000年の15,293戸をピークとして徐々に減少傾向にあるが、検定頭数はその当時よりも10万頭増加しており、乳用全品種の中で検定を実施しているホルスタイン種が57%、非検定ホルスタイン種20%、その他の乳用種が23%となっている。
 今回のWSを開催したイタリアホルスタイン協会(以下、ANAFI)の事務所は、ミラノから約40㎞南東にあるクレモナの郊外に位置し、登録、審査、広報の他にAIサービスも行っている。精液輸出にも力を入れており、2002年には1,215,465本が輸出され、主な相手国はヨーロッパ各国が約半分、残りはアフリカ、北米、南米、オセアニアなどであった。
 協会のスタッフ約30名の他、審査委員は女性1名を含む31名が各地域に配置されており、2006年の審査頭数は273,342頭で、内95.6%の261,448頭が初産である。唯一の女性審査委員であるピア・ザンボーニさん(51歳)は、1992年からクレモナ地区の審査を行う傍ら、アメリカ留学経験があって英語が堪能なため、通訳や外交も担当している。今回の会議では要人挨拶の通訳、バスガイドを兼ねた毎日のスケジュール説明、食事場所への案内、ナショナルショウ審査員の通訳等、まさにスーパーウーマンと言うような行動ぶりであった。
※ 17番目の線形国際標準形質
 会議ではオランダNRSの審査委員であるA・ハーモエン氏が議長となり、始めに前回オランダで開催した第7回WSの報告があった。
 その中で「歩様(ロコモーション)」については、線形形質における17番目の国際標準形質として決定している旨の説明がなされたものの、特にアメリカ、カナダはこの形質が繋ぎ牛舎では評価出来ないため、標準形質とする事に反対している。日本も同様の理由からこれに反対した。また、「鋭角性」においても国によって定義の捉え方がやや統一されていない向きがあり、この形質に関連の深い得点形質の「乳用強健性(デーリィストレンス)」を含めて、翌日の牧場実技で定義を再確認する事になった。
 「後乳房の幅」は事前アンケートで、回答のあった24ヵ国のうち日本を含む17ヵ国が評価を行っており、特にイギリス、アメリカ、カナダではこの形質を重要視している。しかしながら、ドイツでは乳房指数(アダーコンポジット)の七つの乳房線形形質に、「後乳房の幅」を加えても信頼性はさほど上がらないとして、国際標準形質とする事に反対している。形質数を制限する事もこのWSの目的であるため、「後乳房の幅」を標準形質に入れる事は勧めないとした。
 また、事前に資料を提出した10ヵ国とアメリカ(資料なし)から、それぞれの国の体型評価方法等について発表が行われ、日本からも審査システムの内容等、栗田審査委員が紹介した。
 
WSの議長でオランダ゙NRSの
ハーモエン審査委員(左)
※ 国別の体型形質遺伝相関
 オランダNRSのG・ヨング氏が、2007年8月のインターブル評価から19ヵ国の線形16形質と得点3形質(決定得点、乳房、肢蹄)について、各国間の遺伝相関(平均)の傾向を報告した。
 まず、線形形質の高さ、尻の角度、乳房の深さ、前乳頭の配置、乳頭の長さ、後乳頭の配置の6形質は0.96~0.92の範囲で高い遺伝相関を示しており問題ない。次いで、体の深さ、尻の幅、後肢側望、前乳房の付着、後乳房の高さ、乳房懸垂の6形質は0.85~0.81で修正の必要あり。残る、胸の幅、鋭角性、後肢後望、蹄の角度の4形質は0.80以下の低い相関のため、問題ありとした。得点形質では、決定得点と肢蹄が0.80以下の相関のため修正が必要とされた。
 日本が他の国に対して0.90以上の高い相関を示したのは、高さ、尻の角度、乳房の深さ、前乳頭の配置、乳頭の長さの5形質。逆に0.80以下の低い相関なのは、胸の幅、尻の幅(0.63であるが、次回公表から寛幅を坐骨幅に変更するため0.88に上昇する)、後肢後望、蹄の角度、乳房懸垂の線形5形質と、得点形質における決定得点、肢蹄であった。
※ 体型審査実技研修
 ANAFIの事務所からバスで3分程しか離れていないキャステルベルデ牧場(500頭牛群、搾乳牛250頭、面積300ha、従業員7名)を借用し、実際に牛を見ながら前述の定義確認を主に研修を行った。
 前もって3グループに分けられており、日本はイギリスとともにグループ2のリーダー(講師)に指名された。言葉の関係から、主にイギリスのJ・グリボン審査委員が講師役を務めたが、乳用強健性(デーリィストレンス)の定義について前段で説明した。それは、① 胸幅が十分なこと。② 前肋の深さが十分なこと。③ 肋の開張が十分なこと。④ 肋の張りが十分なことであった。
 各自がそれぞれ評価した後、ディスカッションを繰り返す方式で進行したが、会議の席でも議論がなされたように、鋭角性と乳用強健性の見方で、国によってバラツキがあった。その事が、国別の遺伝相関を見ても、この得点形質評価に関連の深い、胸の幅、鋭角性の値が低いところに表れているとも言える。その他の形質については、さほど違いを感じなかった。
 最後に「歩様(ロコモーション)」の確認を行う予定だったが、この日はあいにくの大雨で、パドックに牛を放して見る事が出来ず、狭い通路を歩かせようとしたものの、両側に沢山の人がいるために牛が警戒して殆ど歩かない状況だった。それでも何頭かは目合わせを実施したが、カナダから「歩様を含めた線形形質についての教育用ビデオがあるので、それぞれの国でこのビデオを基に検討してはどうか」との提言があり、了承して終了した。
 
審査実技のグループ2で日本とともに
講師を務めたイギリスのグリボン審査委員
※ 盛大だったナショナルホルスタインショウ
 最終日の午後から、ナショナルホルスタインショウの経産牛クラスを見学した。クレモナ市営のイベントホールで開催され、室内展示場は羨ましいほどの広さで、超大型農機具までが数多く展示されていた。隣接する室内審査場は、普段バスケットボールの試合会場のため、リング自体は狭かったが、緑色のオガクズが色鮮やかだった。
 前日にはジュニアショウが行われ、この日の午前中は未経産6クラスの審査が組まれていた。イタリアはEU諸国の中でも珍しい未経産の部を設けており、6ヵ月から26ヵ月までの幅広い範囲となっている。経産のクラス分けは日本でも一般的となっている7クラスに、269頭がエントリーされていたが、実際の出品頭数は114頭であった。
 審査員はANAFIの副会長でもある40歳の酪農家が担当し、経産牛だけは世界審査委員WS参加者のために、前述のとおりピア・ザンボーニ審査委員が英語で審査講評の通訳を行った。
 グランドチャンピオンは前駆の強さと鋭角性を備え、乳房の素晴らしい5歳級のトップ(父:エレン)が選出された。決定後、間近で見ようとリングに降りたが、祝福のための人、人、人で近寄ることが出来なかった。
 なお、次回のWSは2009年にフランスで開催される事が決定した。
審査講評は5位までを並べたままで行う ナショナルショウ グランドチャンピオン




第36回カナダ ・ ホルスタイン酪農視察研修
 

 本年度のカナダ・ホルスタイン酪農視察は、デーリィマン社との共催により2007年11月6日から12日まで5泊7日の日程で実施しました。酪農先進国であるカナダの牧場とローヤルウインターフェアを視察し、本場の酪農に直接ふれることができ、大きな成果を得て参りましたので概要を報告いたします。

  [出国]
 19年11月6日、新千歳空港に道内参加者10名が集まり結団式を行い、当組合の桑元専務とデーリィマン社の西本常務から激励の言葉をいただき、水本理事(当農協)を団長に選任し、東京へ向け出発しました。成田空港で道外参加者11名と合流し、添乗員1名を含む計22名(内女性3名)の視察団としてカナダへ出発しました。約11時間のフライトで日付変更線を越えて同日の夕刻(日本との時差は-14時間)、トロントに到着しテリー鈴木さん(現地ガイド)の出迎えを受け、専用バスでナイアガラフォールズのホテルへ向かいました。
 一同、少々お疲れの様子でしたが、夕食のバイキングは食欲旺盛で安心しました。

  [牧場視察
 早朝、ナイアガラの滝を見学後、4ヵ所の牧場を視察しました。
 ・メープルウッド牧場:搾乳頭数70頭、土地面積220エーカース(88ha)、職員数2名。牛群の平均能力は305日間(2回搾乳)乳量10,050㎏、乳脂率3.8%、体型得点はEX2頭、VG29頭、他はすべてGP、餌はデントコーンサイレージを主体のTMRで給与。収入の75%が乳販売、25%が受精卵と個体販売である。人工授精は牧場職員で行っている。牧場主と従業員1名で牛群を管理しており、家族は牧場作業には携わっていない。
 ・サミットホルム牧場:飼養頭数650頭、搾乳牛310頭、土地面積700エーカース(280ha)、職員数4名(搾乳専用のパートタイム6名:12頭ダブル)。牛群の平均能力は305日間乳量(3回搾乳)乳量12,500㎏、乳脂率3.86%、乳タンパク率3.25%、体型得点はEX2頭、VG80頭、牛群の80%がGP。収入の95%は乳販売、残りの5%は廃用牛などの個体販売である。牛群の平均授精回数は2.2回(経産)であるが、受胎率は年々悪くなっている。5年前は、平均乳量は11,000㎏ほどであったが、平均授精回数は1.7回であり繁殖能力は現在よりも良かった。
 ・ボスデール牧場:飼養頭数320頭、搾乳牛150頭で98%が自家生産である、土地面積1,000エーカース(400ha)、職員数7名。2年前に約1億8千万円で現在のフリーストールとミルキングパーラーを建築した。牛群の平均能力は305日(2回搾乳)乳量10,500㎏、乳脂率4.2%、乳タンパク率3.3%、体型得点はEX52頭、VG108頭、GP38頭。乳牛の他、350頭の豚も飼養している。前の2牧場と違って、種雄牛の選定条件は体型を重視しており、「良いタイプから能力が出る」という方針で経営を行っている。1頭あたりの平均授精回数は1.7回(経産)、牛群の6~7割が初回授精で受胎しており、平均6.5産まで搾っている。
 ・デユパスケア牧場:ここ数年ローヤルウインターフェアには出品していないが、肢蹄・骨格はもとより乳器の素晴らしい牛が揃っており目を見張るものがあった。搾乳頭数60頭、土地面積800エーカース(320ha)、職員数4名。牛群の平均能力は305日乳量12,000㎏、乳脂率3.7%、乳タンパク率3.4%、体型得点はEX30頭。共進会では、アメリカで7回、カナダで6回のプレミアブリーダーに輝いており、トロフィーや盾が多数飾られていた。現在、酪農の他、ブロイラー(約35,000羽)、人工授精事業(ファンデーションサイア)で、日本にも精液(デユパスケア カリスマ)を輸出している。
 牧場視察後、ローヤルウインターフェアの会場があるトロントへ向かいました。
 
  [ローヤルウインターフェア1日目]
 この日は終日、ローヤルウインターフェアを視察しました。ナショナルホルスタインショウは、RICOHコロシアムで朝7時から開始され、審査はケベック州のMartin Roberge氏とアソシエイト審査員のClaude Lafrance氏が行いました。この日は未経産クラスの審査が行われ、ジュニア(リザーブジュニア)チャンピオンが決定しました。
・ジュニアチャンピオン:Parile Jasper Rosanna(父:WILCOXVIEW JASPER-ET)
・リザーブジュニアチャンピオン:Mibelson Goldwyn Hazur(父:BRAEDALE GOLDWYN)
 この日のナショナルホルスタインショウは午前中で終了し、他の会場では、Red&Whiteショウや他の家畜のショウが行われました。
 【セールオブスター】
 午後6時からRING of EXCELLENCEにおいてSale of Starsが開始されました。まず、Red&Whiteやジャージー種などのセールが行われ、午後7時頃からホルスタイン種の部が始まりました。グランドボーイ数名がリングに上がり、購買意欲を高めるために派手なパフォーマンスを繰り広げました。途中、興奮しすぎたグランドボーイがリングから転落する一幕もあり、場内は大変盛り上がっていました。ほとんどの出場牛が$10,000~$50,000の価格で落札され、10万ドル前後の高値で落札された出場牛もいました。ホルスタイン種の部では52頭が出場し、最高価格$112,000(14,784,000円)、平均落札価格は$25,667(3,388,000円)でした。前日見学したメープルウッド牧場からも1頭出場し、$17,000(2,244,000円)で落札されました。(為替レート:1カナダドル=132円で算出)
 なお、何人かの日本の人にお会いしたが高すぎて手が出ないとのことであった。背景には冬季オリンピック開催(開催地:バンクーバ)のための工事関係、それらに係る投機など、また、世界中の乳製品(牛乳)不足による乳価の高騰などがある。
  [ローヤルウインターフェア2日目]
 前日に続き、終日ローヤルウインターフェアを視察しました。この日は経産クラスの審査が行われ、インターミディエイト(リザーブインターミディエイト)チャンピオン、シニア(リザーブシニア)チャンピオンが選ばれ、グランド(リザーブグランド)チャンピオンが決定しました。
・インターミディエイトチャンピオン:Blondin Lyster Beauty(父:TCET LYSTER)
・リザーブインターミディエイトチャンピオン:Rosiers Braban Triumphant(父:RENAISSANCE TRIUMPHANT)
【日本ホルスタイン登録協会賞を水本団長から贈呈】
・グランドチャンピオン(シニアチャンピオン):Silverridge Leduc Noleta(父:LYSTEL LEDUC)
・リザーブグランドチャンピオン(リザーブシニアチャンピオン):Tomalynn Leduc Della(父:LYSTEL LEDUC)
・プレミアエキジビター:Chilliwack Cattle Co, R&F Livestock inc.
【北海道ホルスタイン協会賞を水本団長から贈呈】
 
  [おわりに]
 今回の牧場視察では、平均的な頭数から多頭数まで幅広い規模の牧場を視察することができました。いずれの牧場も牛群平均10,000㎏を超える能力を維持しながら、体型も高得点の雌牛を飼養しており、管理能力の高さに驚かされました。また、少人数で搾乳や牛舎を管理するため、設備投資や作業の効率化など、同行した若い方たちには参考になる点も多かったと思います。
 ローヤルウインターフェアが行われたRICOHコロシアムは、トロント市街にあり、アイスホッケーやボートショーなど、様々なイベントが開催されている多目的施設で、トロントの人たちにとっては馴染みの場所という印象を受けました。今回のフェアには、特に農業とは関係のなさそうな一般の市民や、スクールバスが何台も停まって、多くの子供たちが見に来ており、都会に住む人々にとっても、農業は身近なものという感じがしました。
 ローヤルウインターフェアを視察して一番に感じたことは、進行のスムーズさでした。入場と退場の出品牛がぶつかることなく、写真撮影を終えた入賞牛もスムーズに退場できるよう配慮されていました。出品牛もリードマンの指示に従っておとなしく歩き、暴れる牛は見られませんでした。各クラスの審査も時間通り滞りなく終了し、このようなイベントや牛の管理に関して、洗練されていると感じました。
 しかし、近年、馬サイドに押されてホルスタインショウ関係の日程が飛び飛びになるなど、少々残念に思いました。
 今回、カナダの牧場やホルスタインショウを視察し、日本の現状と比較することで、様々な知識を深めることができました。今後、この視察で得た知識や経験を様々な場面に生かしていきたいと思います。
 最後に、参加者および関係者のみなさんの多大なご協力により、事故・トラブル等一切なく、無事に研修を終えることができましたことを心から感謝申し上げます。                 
理事:水本隆夫 職員:山下、後藤




平成19年度地区組合員協議会開催のお知らせ
2月4日(月)から2月16日(土)まで10地区で

 今年度の地区組合員協議会の開催日程が決まりました。会議は、例年通り、本年度の組合事業の進捗状況をご説明する一方で、組合員の皆様の組合運営や実施事業に対するご意見やご要望を拝聴し、それらを今後の事業に反映していくために欠かすことのできない重要な会議であります。
 組合の基幹事業である乳牛の登録は皆様および関係団体のご協力で、道内では登録牛の9割を超えるホルスタインが自動登録されるまでになっております。しかし、今年度当初は和牛とのF1生産の増加による大幅な登録頭数減少がありました。その後は、毎月、事業計画にほぼ近い数の登録が行われるまでに徐々にではありますが回復してきております。今後は組合に蓄積されたホルスタイン資源の血統情報を有効に利用した、近交回避をした交配相談はもとより、登録ホルスタインから生まれる雄子牛やF1に対する、「出生確認システム」のモデル試行を行い、利用者の利益となるような事業の展開の計画を始めているところです。また、体型審査、牛群検定なども従来どおり、確実に進め、事業展開を図っていくところであります。
 2010年には安平町早来の北海道ホルスタイン共進会場で第13回全日本ホルスタイン共進会の開催が決定しておりますが、これに伴う実行委員会が12月に設立され、今後は施設整備など皆様のご意見を拝聴しなければならないことがたくさんあります。
 時節柄ご多用のことと存じますが、地元開催の地区組合員協議会に是非ご出席いただき、貴重なご意見・ご要望をお聞かせください。
 なお、協議会では、組合員の方々、あるいは役・職員との懇談を通して親睦を深めていただくことも目的のひとつであり、会議終了後には懇親会を開催いたしますので合わせてご出席くださいますようご案内申し上げます。
【主な議題】
1.平成19年度事業実施状況について
2.平成20年度事業計画骨子(案)について
3.2008北海道ホルスタインナショナルショウについて
4.第13回全日本ホルスタイン共進会について
5.家畜市場施設整備(案)について
平成19年度地区組合員協議会日程
 
地 区 月 日 地 元
協議会
組合員
協議会
場 所
十 勝 平成20年   
2月4日(月)
13:00 15:00  帯広 東急イン
  帯広市西1条南11丁目2
    TEL 0155-27-0102
釧 路 5日(火) 13:00 14:30  釧路プリンスホテル
  釧路市幸町7-1
    TEL 0154-31-1111
根 室 6日(水) 11:30 13:00  ウエディングプラザ 寿宴
  中標津町東3北1
    TEL 0153-72-9611
北 見 7日(木) 13:30 15:00  温根湯温泉 大江本家
  北見市留辺蘂町温根湯温泉
    TEL 0157-45-2511
宗 谷 8日(金) 11:00 14:30  ホテルニュー幸林
  枝幸町北幸町1624-2
    TEL 0163-62-4040
上 川 9日(土) 13:30 15:00  花月会館
  旭川市3条7丁目
    TEL 0166-22-1101
石 狩 13日(水) 11:00 13:30  札幌全日空ホテル
  札幌市中央区北3条西1丁目
    TEL 011-221-4411
後 志

道 南
14日(木) 11:00 13:30  遊楽亭
  八雲町浜松152
    TEL 0137-63-4126
胆 振

日 高
15日(金) 11:00 13:30  グランドホテル ニュー王子
  苫小牧市表町4丁目3-1
    TEL 0144-31-3111
空 知

留 萌
16日(土) 11:30 14:00  ホテル サンプラザ
  岩見沢市4条東1丁目
    TEL 0126-23-7788




後期体型審査予定

日程 1月28日~2月8日
 □ 上川地区 全管内
 □ 後志・渡島・檜山地区 全管内
 □ 十勝地区 新得・清水・芽室鹿追・士幌・上士幌
 □ 釧路地区 釧路・阿寒・鶴居・幌呂・白糠・音別
 □ 網走地区 丸瀬布・遠軽・上湧別・湧別・芭露・生田原・白滝・留辺蘂・温根湯
日程 2月12日~2月23日
 □ 十勝地区 中札内・更別・大樹・広尾・忠類
 □ 釧路地区 弟子屈・標茶・浜中・厚岸
 □ 根室地区 根室・別海・標津
 □ 網走地区 北見・相内・上常呂・置戸・訓子府・端野・美幌・女満別・津別
 □ 留萌地区 全管内
日程 2月25日~3月7日
 □ 胆振・日高地区 全管内
 □ 十勝地区 帯広・川西・大正・音更・木野・高島・池田・幕別・札内
 □ 根室地区 上春別・中春別・計根別(一部)
 □ 網走地区 網走・佐呂間・常呂・東藻琴・斜里・小清水・清里
 □ 宗谷地区 全管内




ひとこと

 この漢字、何と読むかわかりますか?

これすべてうなぎと読むそうです。
 全世界に産する鰻は18種類。ところが日本にはたったの2種類。蒲焼にして食べる“ニホンウナギ”と体調1メートル以上になる“オオウナギ”です。日本以外でも中国やヨーロッパ全域で鰻は食べられていますが、蒲焼だけは日本独特の料理だそうです。
 私はもともと鰻が好きではありませんでした。ある時、知人が札幌で鰻といえばあの店と絶賛するのです。あまりにも絶賛するので、『私は鰻があまり得意ではないのですが食べてみるべきですかねぇ』と質問してみると『食べてみる価値はあるね。僕は鰻が好きで札幌中の鰻屋を食べ歩いたけど、そこが一番!!有名な老舗だし、一度は食べてみるべきだよ』と言われ、いざ出陣。メニューを見ると【並重】【上重】【特上重】と続く、この違いは何ですか?と訪ねると鰻の大きさだと言う。鰻はそんなに好きではないので【並】で十分と思ったが…ここまで来て【並】は貧乏くさいかな?なんて見栄をはり、【上】を注文した。だが、蓋を開けて愕然。鰻が小さい!!これで【上】なの?ならば【並】だったら…どれだけ小さいのだろうか!?と思いながら、気を取り直し、いざ実食。『美味い』の一言。これが老舗のうなぎの味かと感動。たぶん『とろける』とはこんな感じのことなのだろうと思いながら、その美味しさに魅了されてしまいました。それからというもの“土用の丑の日”が近くなると、あのお店の鰻が気になるというか食べたくなる。
 ところで“土用の丑の日”になぜ鰻なのか?と疑問が湧く。調べてみると、江戸時代の科学者、平賀源内が『丑の日に〈う〉のつく食べ物を食べると夏負けしない』という民間伝承のヒントを得て、うなぎ屋の店頭看板に【本日土用の丑の日】と書いたところ、大勢の人が押しかけたということです。これが土用の丑の日に鰻を食べるようになった起源だそうです。いつの時代もそういう商売に踊らされるのが私達、庶民なのかもしれませんね。ということは【土用の丑の日】は鰻でなくても、〈う〉のつく食べ物、うどんや梅干でもいいということですよね?しかし、鰻を褒めるわけではありませんが、鰻に含まれる成分はその昔薬用として食べられていたように栄養万点です。特にビタミンAとEの宝庫です。ビタミンAは癌の予防に役立つことが立証されており、含有量は人参やいわしの百倍、牛肉の二百倍でビタミンA食品の中で抜群だそうです。そして、ビタミンEについては動脈硬化の原因であるコレステロールの付着を防ぐ働きをしたり、女性のホルモンバランスをコントロールしたり、ニキビやシミ、肌荒れなどに効き目があるなどと言われており、鰻に含まれる栄養素は健康にも美容にも優れものです。ちなみに、若い人でもビタミンEが不足すると、お年寄りの顔に出る茶色の斑点(シミ)が出るそうです。私が鰻を美味しいと感じたのも私の身体が鰻の栄養素を必要としていたのかもしれませんね。
 ということで『土用の丑の日』には鰻を食べましょう。そして、鰻が苦手な彼方も、健康・美容のために鰻を食べてみてはいかがですか…
M.N
《注》 一般には土用の丑の日といえば夏を指しますが、土用は春・夏・秋・冬の年4回あり、土用の丑の日は年に数回あります。
  





 
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