2008-12



第12回

世界ホルスタインフリージアン会議

2008年10月9日~11日:アイルランド共和国・キラーニー

 去る10月9日~11日、ヨーロッパ・アイルランド共和国(以降アイルランド)・キラーニーにおいて、第12回世界ホルスタインフリージアン会議が開催されました。この会議には、日本ホルスタイン登録協会長として北 良治代表理事組合長をはじめ、当組合の役職員が出席しましたので、その概要を報告いたします。
 世界ホルスタインフリージアン会議(以降:世界会議)は、4年に1度、世界ホルスタインフリージアン連盟(以降:WHFF)に加盟する会員国で開催されており、12年前の1996年には第9回の世界会議が日本(北海道札幌市)において開催されています。
 今回の世界会議は、ホルスタイン種の世界的永続的な成長と発展に焦点を当て、メインテーマを“ From Grass to Glass:牧草からグラスまで(グラスの中にはMilk)”とし、「ホルスタインの効率的な飼養管理と進歩する新しい技術を組み合わせ、育種改良とともに効率的な乳生産を進める」が掲げられていました。
 この世界会議には、34ヵ国290名の参加があり、日本からは日ホ登録協会・当組合・ジェネティクス北海道・JHBSの4団体16名が出席しました。2日間にわたって行われた会議では、6つのセッションが設けられ、最初のセッションでは主催国のアイルランドから、自国における酪農状況の紹介とともに、収益性の高い牛作りを目指した対応などの報告が行われました。
各セッションでは、データ運用技術・乳牛の体型・遺伝的改良・繁殖性の向上など、それぞれのテーマに基づきアイルランドを始めとした参加国17名の発表と意見の交換が行われ会議が進行しました。   

   各セッションのテーマ
Session1 アイルランドの農業とホルスタイン
  〃  2 適切な管理のための質の良いデータ
  〃  3 遺伝的改良のための新たなツール
  〃  4 ブリーダーと科学者の合同会議
  〃  5 受胎率改善のための全体的視野からの解決法
  〃  6 ホルスタイン・フリージアン・・その潜在能力  
左から 藤村忠彦日ホ専務、北 良治日ホ会長(道ホル農協組合長)、
河合徳太郎日ホ相談役、佐藤 泉道ホル農協専務
    
 2日目の最終セッションが終了した後には、引き続きWHFFの総会が開催され、WHFFの活動報告や各ワーキンググループの進捗報告が行われ(日本は「機能的な体型形質に関するワーキンググループ」に参画)、新評議委員として10名が選出(日本は藤村日ホ専務)されました。また、2012年にカナダ・ケベック/オンタリオで開催される次回の第13回世界会議について、カナダの代表団から歓迎の挨拶があり開催計画案が示されました。
 会議と総会の全日程が終了し、その締め括りとも思えるタイミングで、北 良治日ホ会長による“ 2010年全日本ホルスタイン共進会北海道大会への招待 ”と題したスピーチが行われました。「ホルスタイン種の改良が、日本において着実に成果を上げ、最高レベルの乳牛を見る機会となりますので、是非とも参観いただきたくお待ち申し上げています。そして、より一層の改良技術交流が促進されることを願っております」の言葉に会議出席者から盛大な拍手をいただきました。
  
   
北 良治日ホ会長のスピーチ「2010年全共北海道への招待」
  
 世界会議の3日目の行事として「ワールド・カンファレンス・ショウ」が開催されました。大勢の参観者がリングの周囲を埋め尽くす中で、出品頭数約130頭、未経産牛の部4クラス、乾乳牛の部2クラス、経産牛の部7クラス、出品者の部(3頭1組)1クラス、計14クラスの区分で審査が行われました。
  
  
 ワールド・カンファレンス・ショウは、未経産牛のクラスでは、日本や欧米のショウと同様にジュニアリードマンが大勢見られ、後継者育成への取り組みはどこの国においてもとても重要な事であると改めて認識しました。
  
  
 出品牛は、未経産牛については上位牛と下位牛の差がやや大きく感じられましたが、経産牛の各クラスでは上位から下位まで素晴らしい牛たちが揃い、終日楽しむ事が出来ました。
  
チャンピオン:2004.12.24生 VG88
2産 305 10,710kg 3.95% 3.18%
父:レ-ガンクレスト エモリ- デリ- ET

      
リザーブチャンピオン:2001.11.01生 EX92
3産 305 11,103kg 4.16% 3.30%
父:モ-リン スト-ム ET
  
 ショウの最後には経産牛のチャンピオンとリザーブチャンピオンが決定し、この牛たちを囲んだ関係者の喜びと参観者たちの歓声を心地よく感じながら、会場を後にしました。
   
    
【Session1:アイルランドの農業とホルスタイン】

 アイルランドは、ヨーロッパ北西部イギリス・グレートブリテン島の西隣、アイルランド島の南側約5/6を占めており、北部の残り1/6は北アイルランド(イギリス領)となっています。面積は70,282(北海道とほぼ同じ)で南北に約500㎞東西に約300㎞の島国で、国土の大部分が花崗岩の岩石に覆われています。地形は平坦であり、一番高い山でも1,000m程度の標高で、国際会議が開催された南西部のキラーニー(ケリー州)は、この国の山岳部に近い丘陵地帯の地方都市でした。
 人口は約430万人、その1/3が首都のダブリンとその周辺に集中しており、在留邦人は約1,000人となっています。気候は、北緯53度という高緯度(札幌市は43度)にありながら、メキシコ湾流と大西洋から吹く偏西風の影響により温暖で、地域による気候の差はなく、最も寒い1・2月の気温は4~7℃程度、最も暖かい7・8月の気温は14~17℃程度で、夏期に30℃を超える事や冬期の降雪(積雪)はほとんどないとのことでした。
 主要産業として、電子・電気・化学を主とする製造業と酪農畜産業があり、国土の約6割が農地で、農地の7割が牧草地として利用されています。乳用牛は約110万頭が飼養されていて、その95%がホルスタイン種で、酪農家のほとんどが冬期間の数ヵ月を除いた昼夜放牧の飼養形態を取っており、春生み季節分娩の徹底が行われています。なお、低コストと昼夜放牧の飼養形態の結果なのか定かではありませんが、1頭当たりの平均乳量は約4,700㎏(検定牛は約6,800㎏)となっています。

 酪農の歴史は、在来種だったショートホーンから始まり、1950年代には生産性の高さから急速にフリージアン種に変りました。1974年、カナダから雄牛8頭と雌牛30頭を導入し乳肉兼用としての改良が行われましたが、産乳量の減少のため10年ほどで現在のホルスタイン種に切り替わりました。2000年からは、イギリスに依存していた登録を始めとするデータ処理を自国で行い、現在では会員3,750名によって年間7万頭の登録が行われ、検定・審査などを含めた様々な情報はデータベースに展開されており、育種改良や飼養管理に用いられています。また、新たな改良目標として「繁殖性の向上、高い蛋白質量」が上げられています。 
    
   
 以上、世界会議の概要とセッション1の内容を報告させていただきました。来月号ではセッション2以降の興味深い内容について、その詳細を報告いたします。



2008年共進会ジャッジングスクール開催
講師・審査パネラー : 荒 木 敏 彦 氏  (社)ジェネティクス北海道 業務部長
   審査パネラー :
中 川 尚 人 氏  恵庭市 酪農家
講師の荒木氏
 北海道ホルスタイン改良協議会(角倉光記会長)では、去る10月10日(金)に安平町の北海道ホルスタイン共進会場において、道内各地からの受講者65名の出席を得て『2008年共進会ジャッジングスクール』を開催いたしました。
 開会式では、角倉会長からの挨拶の後、後援団体を代表して日高ホルスタイン改良協議会梅村義郎会長から歓迎の挨拶をいただき開会いたしました。
 午前中の講演は、共進会ジャッジとして重要な『共進会審査員の心得』を、(社)ジェネティクス北海道 荒木敏彦業務部長が講師となり詳しく説明していただきました。
 荒木氏は「重要なのは、まず自信を持つこと、一貫した考えで牛を選ぶこと。次に講評は短く的確に、比較用語を用いること。
そして出品者に敬意を表すこと。最後に常に向上心を持つこと。以上の点を実践することが良い審査員になるためのポイントです。」と語っておりました。
 荒木氏の400回以上と言う豊富なショウの経験話に、審査の経験が少ない受講者は真剣に聞き入っておりました。
 実技研修では、荒木氏と中川氏に審査パネラーをお願いし、空知ホルスタイン改良同志会の瀬能 剛会長(道ホルスタイン改良協議会副会長)に討論委員長を務めていただきました。
 未経産牛1クラス(6頭)経産牛2クラス(各6頭)について受講者全員で序列付けを行い、各クラス4名の代表者が序列の発表と審査講評を行いました。
 最後にパネラーの荒木氏・中川氏から正解の発表と審査講評、質疑応答が行われました。
 質疑応答では特に乳器の評価の仕方について質問が多く、パネラーから見方について丁寧に説明していただきました。
 閉会式では、成績優秀者が発表され、受講者全員から盛大な拍手で祝福され、無事終了いたしました。

 成績優秀者(順不同、敬称略)
市 町 村 ・ 所 属 氏   名
安 平 町
旭 川 市
大 樹 町
音 更 町
江 別 市
江 別 市
士 幌 町
ジェネティクス北海道
オールジャパン・ブリーダーズ・サービス
オールジャパン・ブリーダーズ・サービス
本 野 仁 一
加 藤 智 宏
木 村 達 也
小 原 潤 哉
西 川   謙
富 樫 悠 輔
山 岸   剛
菊 地 正 明
山 田 拓 嗣
竹 田 秀 臣



2008年共進会ジャッジ研修会
          八雲町畜産共進会場において開催
 乳牛改良において共進会が果たす役割は極めて大きく、審査眼の統一と審査技術の向上を図るため、当組合では毎年共進会ジャッジ研修会を開催しております。
 本年は、去る10月24日(金)に八雲町畜産共進会場において、道南ホルスタイン改良協議会、後志ホルスタイン改良同志会、JA新函館八雲基幹支店、北海道ホルスタイン農協道南後志地区組合員協議会の後援により開催されました。
この研修会には、当組合共進会認定審査員19名を始め、一般受講者(過去5年以内に管内クラスの審査経験者)19名、北海道ホルスタイン改良協議会推薦者(10月10日に安平町で開催された共進会ジャッジングスクールで、過年度の成績を含めた成績優秀者)5名の、計43名が出席いたしました。
 開会に先立ち、当組合の斎藤参事が挨拶した後、後援団体を代表して地元道南ホルスタイン改良協議会の舟橋秀貴会長からも歓迎の挨拶があり、次いで審査実技パネラーとして、㈱十勝家畜人工授精所取締役営業指導部長 山口寿典氏、芽室町 鈴木 進氏、岩見沢市 瀬能 剛氏の3名が指名、紹介されました。
 午前中の研修では、「リードマンシップコンテストのチェックポイント」と題してセミナーを開催し、当組合企画部の小泉課長が講師を務め、スライドを使いながら、この審査に当たる場合の明確な判定基準について説明が行われました。これは、北海道ホルスタインナショナルショウにおいて青少年を対象としたリードマンコンテストを実施しておりますが、地区共進会でも同様の部を設けている管内も見受けられる事から、審査員として「どこが重要なポイントなのか」と言う共通認識を持っていただく意味で有意義であったと思われます。
 午後の実技研修では、朝から降り続いていた雨も小降りとなり、未経産1クラス、経産2クラスについて、それぞれ指名された代表者4名による序列の発表と講評が行われました。
 討論委員長は当組合総務部の藤澤課長が担当し、各クラスの中で代表2名が自分の思った序列に基づいて並べ替えを行い、より実践的な方式で進められました。質疑応答では、乳房の評価について熱心な議論が交わされました。この研修会は、序列の成績が優秀であるかに加え、審査講評の内容についても研修の対象になっており、受講者全員の真剣に取り組む姿勢が窺われました。
 閉会に当たり、当組合経済企画委員長の橋本理事から、「有意義な研修会を開催出来た事に対し、受講者並びに供試牛を提供いただいた後援団体の方々に感謝申し上げる。2010年の北海道全共に向けて、更なる研鑽を積んでいただきたい」との挨拶をもって、研修会を終了いたしました。
   
成績優秀者(50音順、敬称略)
市町村・団体 氏   名
 大樹町
 ホル農協
 ジェネティクス北海道
 中標津町
 家畜改良事業団
 ホル農協
 恵庭市
 紋別市
 宮城県
 中標津町
 鶴居村
 別海町
木 村 博 文
小 泉 俊 裕
小 林 英 聡
佐々木 昭雄
高 橋   茂
千 葉 義 博
中 川 尚 人
永 峰 勝 利
半 澤 善 幸
福 村   稔
松 井 俊 治
山 田 博 和


 
 
第19回組合員女性研修会開催!!

 紅葉の見頃も終わり、冬の訪れが近づいてきた去る10月30日から2日間に亘り、全道各地から組合員のご婦人さん23名のご参加をいただき、「組合員女性研修会」を開催いたしました。2日間とも天候に恵まれ、すがすがしい研修となりました。
 札幌駅集合の後、車中にて昼食をとりながら、最初の研修先である「札幌市民防災センター」へと向かいました。
 
【札幌市民防災センター】
 ここは、防火、防災に関する知識や、災害が発生したときの行動を、楽しみながら学んでいただく、体験型施設です。
 私達は、2班に分かれ、職員の案内のもと、消火体験・地震体験・煙避難体験・3Dシアターなどを体験いたしました。普段はあまり使う事がない消火器の使い方や、地震が発生したときの対処法、身の守り方など、楽しみつつ、職員の説明に真剣に耳を傾けていました
  
【細澤牧場】千歳市
 ホルスタインナショナルショウにも出品しており、2005年には1等賞も受賞した細澤牧場を視察しました。経営者である細澤伸一さんの奥様恵子さんのご案内により、飼養頭数や労働形態など、1時間に亘り説明していただきました。最初にご説明いただいた飼料について、千歳市にはキッコーマンの工場があることから醤油のカスを混ぜているそうで、TMRはすべてコンピューターで管理されておりました。
 また、細澤牧場では、㈱アレフと共同で、牧場で出る糞尿と、アレフ食品工場から出る野菜クズなどを混ぜ合わせ、バイオガスを発生させ、精製し、それをアレフのレストランで調理用熱源として使うなど、資源のリサイクルに取り組んでおります。ガス以外の個形部分は、完熟させ、袋詰めにして販売。一般消費者が家庭菜園用として買いに来るそうです。最後に牧場の横にある、オリジナルソフトクリームのお店「Milky Bell」でアイスを食べ、恵子さんのお見送りで牧場を後にし、宿泊先へと向かいました。

【ホテル 四季の風】
 今回の宿泊先は、ししゃもで有名なむかわ町にある「ホテル 四季の風」。夕食の時間まで、温泉に入ったり、お土産を買ったり、お部屋でお茶を飲みながら、他の管内の方とおしゃべりをしたりなど、思い思いの時間を過ごされたことでしょう。

【懇親会】
 夕食を兼ねた懇親会では、テーブルいっぱいのむかわ産の食材にこだわった料理を囲み、各管内の参加者のみなさんと交流を深められ、本当に楽しく、にぎやかな時間を過ごされた事と思います。中盤では、恒例のゲームも始まり、終始笑いが絶えない楽しい懇親会となりました。
 さわやかな秋晴れとなった二日目、一路札幌駅へと向かいました。定刻通り、札幌駅にて午前中の解散といたしましたので、その後は参加者各自で買い物を楽しんだり、それぞれの時間をゆったりと過ごされた事でしょう。

 あっという間の2日間でしたが、この研修を通じて、参加者の方々がまた一つ新たな出会いとなり、交流を深め、今後の酪農業をおおいに盛り上げ、プラスとなれば嬉しく思います。この研修に参加されたことのない方、参加された事のある方、次回も皆さんのご参加をお待ち申し上げております。今後の研修をより良いものにする為、参加者の皆様にご協力いただいたアンケートを基に、色々と考えていきたいと思います。
 最後になりましたが、この研修会の開催にあたり、参加者の取りまとめにご協力いただきました関係者の方々に心よりお礼申し上げます。
 



体型審査の予定は次のとおりです。
も寄りの登録取扱団体にお申し込み下さい。

日程 1月13日~1月24日

 □石狩地区
   全管内
 □空知地区
   全管内
 □十勝地区
   豊頃・浦幌・本別・足寄・陸別
 □根室地区
   西春別・中標津・計根別
 □網走地区
   紋別・上渚滑・雄武・興部・滝上・西興部

日程 1月26日~2月6日

 □上川地区
   全管内
 □後志・渡島・檜山地区
   全管内
 □十勝地区
   新得・清水・芽室・鹿追・士幌・上士幌
 □釧路地区
   釧路・阿寒・鶴居・幌呂・白糠・音別・弟子屈
 □網走地区
   丸瀬布・遠軽・上湧別・湧別・芭露・生田原・白滝・留辺蘂・温根湯

日程 2月16日~2月27日

 □十勝地区
   中札内・更別・大樹・広尾・忠類
 □釧路地区
   標茶・浜中・厚岸
 □根室地区
   根室・別海・標津
 □網走地区
   北見・相内・上常呂・置戸・訓子府・端野・美幌・女満別・津別
 □留萌地区
   全管内
 
日程 3月2日~3月13日

 □胆振・日高地区
   全管内
 □十勝地区
   帯広・川西・大正・音更・木野・高島・池田・幕別・札内
 □根室地区
   上春別・中春別・計根別(一部)
 □網走地区
   網走・佐呂間・常呂・東藻琴・斜里・小清水・清里
 □宗谷地区
   全管内

 



~発展~ 第4回全日本ホルスタイン共進会
 シリーズ7回目の今月号では、第4回全日本ホルスタイン共進会を振り返ってみます。
 第4回全共は1966年(昭和41年)3月18日~22日の5日間、東北地方の南端福島県福島市の福島競馬場で開催されています。
全国42都道府県から278頭の出品があり、名誉総裁として秩父宮妃殿下をお迎えし、開会式には常睦宮ご夫妻のご出席を仰ぎ、開会のお言葉をいただきました。また、アメリカ・カナダからの酪農使節団も多数来場し、参観者数延べ25万人が競馬場を利用した広い会場を連日賑わしていたとの記録がありました。
 北海道からの出品は17戸42頭(前回16戸25頭)であり、ホルスタイン種系の部(以降:ホ種系)を除くすべての部門への出品でした。
 第1回全共から個別に設けられているホ種系クラスへの出品頭数は、今回僅か20頭で、全出品頭数の7%にあたり、第2回全共の34頭20%、第3回全共の32頭14%などと比べ大幅な減少でした。
   
第4回全共  出品頭数    278頭
ホルスタイン種 雄   牛 第1部 22頭   12月~29月
未経産牛 第2部 56頭   12月~17月
第3部 38頭   18月~23月  
第4部 32頭   24月~29月  
経 産 牛 第5部 17頭   2産以内
  ~47月
第6部 38頭   高等登録牛
  3産以上
ホルスタイン種系 未経産牛 第7部 8頭   12月~29月
経 産 牛 第8部 12頭   
父系統群 第9部 14組   4頭 1組  
母系統群 第10部 9組   母・娘2頭
乳器特別審査の部         第5・6・8部 出品牛  29頭
高等登録牛:審査得点・検定能力が基準を満たし登録証明されたもの
    
第1回全共で取り上げられた『役乳両用牛』としての役割は、酪農産業の加速度的な進歩によりその必要性は無くなり、第2回全共で『将来、ホ種系牛の改良固定によって、必然的に日本ホルスタイン種(以降:ホ種)として取り扱われる日が来ると思われる』『純粋種の改良も必要であるが、ホ種系の改良は最も必要である。この改良なくして酪農の発展は望めない』との将来展望は、改良と増殖が進む中で登録の積み重ねにより、〔ホ種系〕から〔ホ種〕として発展進化する形が具体化して来ているのであろうと窺えます。なお、第3回全共の1961年に88万5千頭であった乳用牛頭数は、5年後のこの年には131万頭(42万5千頭増)に達しています。
   
共進会の様子は、福島県のTV局が取材に訪れ、全国に向けてその放送が行われた。
    
 〔審査の進行〕
 各部の審査は、第2回・第3回の全共と同様に、A・B・Cの3班、各4~5名の審査委員によって審査団が設けられ、3ヵ所に区切った審査場を用い同時進行で行われています。総体審査(担当する各クラス全牛を同時に審査)から始まり、個体審査、比較審査が順次行われ、会期の3日目には最終の比較審査によって上位入賞牛が決定しました。
  
 この全共で、新たな付帯行事として『審査競技会』が行われています。参加対象者や競技方法について、とても興味深いものでありその内容について調査を試みましたが、残念ながら詳細を見つけるに至りませんでした。
   
審査競技会の様子
  
 〔大観衆が訪れた共進会〕
 冒頭で、会場を訪れた参観者数は延べ25万人であったことを紹介しましたが、この数は当時の福島市の約2倍にあたる人々が会場につめかけていたことになります。昨今の全共のように、共進会と合わせ大々的なイベントが併催されることによって、数十万人の人々が訪れたのであれば何となくそのイメージが湧いてきますが、付帯行事は「種雄牛の写真展」や「酪農機材・資材の展示会」と「昼休みに行われた郷土芸能」などが報告されている程度でしたので、参観者の目的は、共進会そのものであり日本を代表する牛を見るために25万人が集まったものと想像できます。これほどの大観衆の注目を浴びての出場に、出品者の皆さんの心境はいかほどのものだったのでしょうか?
大観衆(参観者)で埋め尽くされたスタンド
『立錐の余地がなく~』とはこの事ですね!
   
① スタンド後方の人たちから見れば、リング内の
 牛たちは豆粒程度にしか見えないのでは・・・
② 従って、審査終了後には大勢の参観者が出品牛をどっと取り巻く(?)
  
 〔名誉賞受賞の言葉〕
 第6・9・10部の3部門の名誉賞(チャンピオン)を受賞した江別市:町村敬貴氏が語った受賞の喜びのインタビューがデーリィマン誌に載っていましたので原文のまま紹介します。
 私が乳牛の改良繁殖という仕事を始めてから、随分長いことですが、非常にむずかしい仕事であり、またやり甲斐のあることでもあります。優勝することは望ましいことですが、自分一人の力でできるものではなく、自然によくしていくという長い年月の忍耐がいるものです。入賞牛は天皇賞の栄誉に浴しており、誠に感激であります。これは最近急にアメリカから輸入したものではなく、真面目に20年もの年月をかけて改良したもので、この母系についていえば57年もかかって繁殖してきたものなのです。これには大変な努力と、乳牛の改良繁殖に対する興味がなければならないでしょう。また乳牛の系統は尊ぶべきもので、その乳牛が系統的に間違いのないことと、交配する種雄牛の選択が大切でありますから、そういう方向を見定めて、努力していくことよりないものと考えます。私は二つのラインで改良をやってきましが、生涯を通じて価値ある仕事であったと感じております。 


    
 〔北海道出品牛の上位入賞〕
 当時の記録では、都府県の出品牛は前回までの全共とは異なり相当の進歩があったとありますが、結果として北海道出品牛がどの部においても上位入賞を果たし、6部門あった名誉賞は5部門で北海道出品牛(残る1部門は出品の無かったホ種系部門)が受賞しました。
北海道牛舎に詰めかけた人々
    
 次々と上位入賞を果たし、名誉賞を独占した北海道牛舎には、その雄姿を見るために参観者が続々と押し寄せ、収集がつかなくなってしまい、窮余の策として牛舎前の広場で出品牛を並べたデモンストレーションのお披露目が行われました。
 【1966年(昭和41年)】
[丙午:ひのえうま]
     干支(えと)のひとつであり、この年が丙午でした。丙午には色々な迷信がありますが、とても信じがたいものもあり、その迷信によって「へえ~そうなの!?」と思うような社会現象が起きています(日本人はとても迷信深い)。「丙午生まれの女性は気が強く、夫が短命である」「丙午生まれの女性の死後は妖怪〔飛縁魔:ひえんま〕になる」etc・・、この迷信により子供を設けることを避けた夫婦が多かったとのことで、この年の出生数は136万人で、前年の182万人、翌年の193万人に比べ極端に少なくなっています。また、ある地方では子供を産む・産まないで離婚調停に至ったとか、嫌がらせを受けたとかにより法務局主催の「ひのえうま追放運動」が展開されたとの記録も有りました。ちなみに、次の丙午は2026年です。
[国内]
・4機の旅客機が墜落(全日空・カナダ航空・BOAC・全日空)
・いざなぎ景気
・3C(カラーテレビ・カー・クーラー)
[国際] 
・ベトナム戦争
・中国文化大革命が激化
[うた]
・こまっちゃうな
・星影のワルツ
・君といつまでも
・骨まで愛して
・夢は夜ひらく
・霧氷
[物価]
・カレー
・牛乳
・コカコーラ
・ラーメン
・そば
・映画
・国鉄
・銭湯
・はがき
・新聞購読料
・タバコ(ハイライト)
120円
 18円
 50円
 60円
 50円
500円
 20円
 28円
  7円
580円
140円
『全共』、「ホルスタインの祭典」として、その開催が定着し発展を見た第4回大会の概要を紹介しました。来月号では、名誉賞を始めとした上位入賞牛を紹介します。
  
資料・写真 第4回全日本ホルスタイン共進会記念誌
デーリィマン1966-第16巻・臨時増刊号



平成20年11月2日(水)午後2時
当  組  合  会  議  室
【報告事項】
1.前回理事会(7/25)後の主な処理事項について
  日胆地区組合員協議会懇親会
11 全酪連畜産担当者会議
27 28 ジャージー改良研修会
16 ジェネティクス北海道理事会
18 後代検定推進会議
27 28 2008北海道ホルスタインナショナルショウ
29 30 日ホ 内部審査研究会
10 日ホ 中央審査研修会
15 2008年世界ホルスタイン・フリージアン会議
10 北海道ホルスタイン改良協議会主催 共進会ジャッジングスクール
15 第64回北海道家畜人工授精技術研修大会   
20 21 上期定期監査
21 JHBS上期定期監査
23 家畜市場施設見積開封立会
日ホ 中間監査
24 共進会ジャッジ研修会
25 留萌地区組合員協議会
30 31 第19回組合員女性研修会
11 2008北海道ホルスタインウインターフエア 
   
2.業務及び収支の状況について
   業務の進捗状況については、9月末で半期を過ぎたため計画対比50%が目安となる。
 血統登録は、登録頭数78,216頭で計画対比50.0%の進捗であり、前年同期の登録頭数と比較すると111.5%となっており、登録頭数減も回復して来た感がある。自動登録頭数は73,634頭で、登録農家の90%を占めており今後も推進を進める。
 牛群毎の検定申込み戸数は1,086戸であり、計画より36戸多く計画対比103.4%である。牛群毎の検定頭数については、請求時期の関係から計画対比47.9%と若干少ないが計画通りに進捗している。また、検定全体としても概ね計画通りである。
 審査の牛群基本申込戸数は316戸で計画対比65.2%、牛群2回以上申込戸数は297戸で計画対比47.1%である。牛群頭数は8,822頭で計画対比54.5%と計画を上回って推移しており、審査全般においても計画対比54.7%であり、前年対比104.8%となっている。
 登録・検定・審査の総合計は、概ね計画通りの進捗である。
 家畜市場成績では、種類毎出場頭数については初生犢以外前年同期よりも少なく計画対比49.6%である。その中でも馬の減少が大きく、日高管内の軽種馬が和牛に大きく転換したことが影響していると思われる。売買価格においては、乳牛以外の種別は価格が下落している状況の中で、計画対比52.3%となり、ほぼ計画通りの推移である。
 流通業務では、斡旋頭数においては、乳用牛は前年同期よりも上回っており計画対比45.3%であるが、肉用牛は前年同期よりも下回っており、国内全体の牛肉の消費停滞の影響が取扱い頭数に表れていると推測され合計の取扱い頭数は計画対比44.3%に留まっている。金額では、乳用牛はほぼ前年通りの取引価格であるが、肉用牛についてはホル素牛と経産廃用牛で安値が続いており、F1にいたっては大きな価格下落の影響を受け、全体の取扱い金額で計画対比45.7%となった。
  
3.日ホ 中間監査報告について
  
4.上期定期監査の報告について
  
5.市場施設建設工事に係る発注業者決定及び総工費について
   
【協議事項】
1.組合員の加入・譲渡・脱退について
・期首1,074名
・加入4名
・脱退21名
・現在1,057名
  
2.監事意見書に対する考え方について
  
3.両委員会・理事会開催日程について
(1) 総務委員会 12月12日(金)午後2時
(2) 経済企画委員会 12月19日(金)午後2時
(3) 三役・委員長会議 1月23日(金)午後1時
(4) 第10回理事会 1月23日(金)午後2時
    



ひとこと
 今年も12枚目のカレンダーをめくり、「師走」という気忙しい月を迎えました。
 振り返れば、減産計画生産方針から増産計画への転換が始まったものの、昨年からの世界的な燃油価格高騰から夏頃には180円台のガソリン価格、更には、アメリカのサブプライムローンに端を発した金融危機とドルへの不安感から円高となり、そして酪農資材や飼料価格等の高騰や諸々の要因によって乳価が期中に値上げされる等、酪農界にとっては、今までにない酪農基盤を揺るがす緊急施策の取組みに翻弄された年であり、一方、円高は輸出立国である日本の物づくり産業が窮地に立たされている状況となっております。
 さて、この時期になりますと今年の世相を表現する「一文字」が京都・清水寺の貫主によって12日の「漢字の日」に発表され、報道されます。
 この指標は、今から13年前の1995年に始まり、兵庫県阪神・淡路大震災発生や地下鉄サリン事件が起きた年です。今までの「一文字」を振り返ると、「震」「食」「倒」「毒」「末」、2000年は「金」、「戦」「帰」「虎」「災」「愛」「命」そして昨年は北海道でも起こった食品表示偽装問題、年金記録問題、テレビ番組の捏造問題などで、「偽」と発表されました。過去の文字を見てみますと、「なるほど」と納得してしまう自分であります。
 さて今年は、このような国内外の情勢や世相を表す「なるほど」と庶民が納得する漢字一文字が発表されるのか興味あるところです。
 当組合機関誌の愛読者の皆様でしたら、どんな一文字を思い浮かべますでしょうか?
(T.M)

 
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