2009-4



北海道酪農の発展に貢献された3名を表彰
  
酪農指導
酪農経営
乳牛改良

中曽根  宏 氏
細 澤 伸 一 氏
加 藤 孝 志 氏

(岩見沢市)
(千歳市)
(旭川市)
平成21年3月1日(日)
札幌パークホテル
財団法人 宇都宮仙太郎翁顕彰会
 宇都宮顕彰会(黒澤信次郎理事長)は3月1日(日)札幌パークホテルにおいて本道酪農に貢献された功労者に贈る「第41回宇都宮賞」の表彰式を開催し、酪農指導の部で岩見沢市の中曽根宏氏(69歳)、酪農経営の部で千歳市の細澤伸一氏(57歳)、乳牛改良の部で旭川市の加藤孝志氏(56歳)の3名を表彰いたしました。
 当日は、春の暖かな陽気に恵まれ、日曜日の休日にも拘わらず、顕彰会寄付者である酪農家をはじめ、道庁・酪農団体・会社等関係者130余名のご出席をいただき、表彰者ご夫妻をご紹介の後、賛美歌「かみともにいまして」を全出席者が合唱し式が始まりました。
 理事長は関係者に謝辞を述べると共に、「宇都宮仙太郎翁の精神の原点は、土作り・草作り・牛作りであり、それにより生み出される安心・安全で且つ良質の牛乳と、肉資源を安定的に供給することでもあります。酪農を取り巻く環境は、農業生産資材が高騰しこれまでに経験のない厳しい状況にたたされた一年となり、世界的な金融危機と経済的不安の中で酪農業の将来展望も開けない状況にあり、併せて今後のWTO農業交渉やオーストラリアとのEPA交渉など多くの課題に対し、関係機関・団体の総意を以てこの難局に対応する事が重要です。今後、北海道は日本の畜産物の供給基地として、今まで以上に重要になって来ることから、酪農家はもとより、担い手や新規就農者が安心して意欲を以て営農に取り組める環境作りと政策を積極的に推し進めていただくよう願います。受賞されたお三方におかれましては、本道の酪農の発展に大きく寄与され本日の栄えある日を迎えた訳であり、更にこれを契機に精進され地域酪農発展のためにご健勝でご活躍されます事をご期待申しあげたい。」と挨拶を述べられました。
選考委員長
北海道酪農畜産協会
専務理事 安東正史 様
北海道農政部
食の安全推進局
局長 竹林 孝 様
(独)家畜改良センター
新冠牧場
場長 櫻井 保 様
JA北海道中央会
副会長 長谷川幸男 様
          
 次いで、表彰者の功績紹介と選考経過報告が選考委員会委員長の北海道酪農畜産協会専務理事、安東正史様からなされ、「勝利をたたえて」のピアノ演奏が流れる中、黒澤理事長から賞状と本賞のブロンズレリーフ、副賞が贈られました。
 続いて、北海道農政部食の安全推進局長、竹林孝様より「受賞されたお三方には、長年に亘り北海道の酪農の発展に多大なご尽力を賜り深く敬意を表するとともに心からお祝いを申し上げます。この場には奥様もご同席いただいており、賞の業績を残すに当ってはご家族の支えが大変大きかったものと拝察いたしており、このことにつきましても心より敬意を表します。北海道酪農は、幾多の変遷を経ながらも順調に発展して来ましたが、一方では今なお課題が山積しております。
受賞者ご夫妻(左から、中曽根ご夫妻、黒澤理事長、細澤ご夫妻、加藤ご夫妻)
    
厳しい時代だからこそ原点に振り返ることが重要であり、仙太郎翁を始めとする先人が継承された自給飼料を基盤とする『土・草・牛』が調和した酪農というものを目指して行くのがその姿ではないかと考えています。そうした想いを再確認するのが仙太郎翁の命日である本日3月1日この顕彰会であると思っています。昨今は、大変厳しい経済・雇用情勢ですが、北海道が元気になるためには農業が元気にならなければいけない。その中で最大の基幹部門である酪農の元気が北海道の元気・発展に直結するものであります。受賞されたお三方におかれましては、これからも健康に留意され今後とも北海道酪農の振興にご尽力を賜りますようお願い申し上げます。」と祝辞をいただきました。
 また、家畜改良センター新冠牧場長、櫻井保様、JA北海道中央会副会長、長谷川幸男様からも、受賞者の業績を称え本道酪農の発展を祈念される祝辞をいただき、その後、家畜改良事業団からの祝電披露が行われました。
 受賞者の挨拶では、酪農指導の部の中曽根宏氏は「私は、現在の雪印種苗の地に建物が残っている酪農義塾で生まれました。当時は宇都宮牧場が隣にあり、仙太郎翁が時おり義塾にお顔を見せていられたと聞いており、仙太郎翁のお葬式には母の背におぶさり前夜式に出席している写真がありました。そういったことで、私は勝手に仙太郎翁にお会いした中では一番若い人間の一人だと思っており秘かに自慢にしていました。学校を卒業後、宇都宮牧場で実習をさせていただき、その後に就農しました。就農して間もなく宇都宮賞が設けられており、健全な経営を行い立派な牛を作って、いずれは自分も賞をいただける様な酪農家になりたいと思ったこともありましたが、共進会や検定の日本記録あるいは宇都宮賞などで功績のあった方々をお祝いする催しなどの発起人となるのが私の使命だと思っていました。私に活動の場を与えてくださり、この賞に繋いでくださった北海道酪農協会や地域の皆様、そしてこの顕彰会の皆様に心からお礼を申し上げます。今後も牛飼いは現役でやって行きたいと考えますし、この激動・激変する農業情勢・酪農情勢の中で私の出来ること、やるべき事を微力ながら全力を尽くしたい。」と述べられました。
 酪農経営の部の細澤伸一氏は、「長い年月酪農経営をやって来ておりますが、色々な方から色々とご指導いただき、支えていただいて今日があると考えています。今から30年ほど前だと思いますが、NHKのラジオ番組『酪農讃歌』で宇都宮仙太郎物語があり、その放送を夫婦共々楽しみに聞いていた記憶があります。後にコンクールで賞をいただいたことがあり、その時の名誉会長の宇都宮勤さんからいただいた本が『空樽自鳴:宇都宮仙太郎物語』でした。ラジオ番組をまとめた本ということで、その本は我が家の宝になっております。本には宇都宮賞の内容が書かれてあり、第13回までの受賞者のお名前が載っていました。そうそうたる方々が載っていたと記憶にあります。今回の受賞の理由には、有機物の有効利用ということがあり、バイオガスプラントによる食品工場の残渣物の処理とメタンガスの利用があると思います。今まで酪農の中ではあり得なかったことを異業種の方たちと研究しておりますが、始めたばかりのことでもあり、今後どのように発展させればよいのか検討している所です。将来的には、これらが酪農業界の新たな副収入になるのではと考えており、これからも頑張りたい。」と述べられました。
 乳牛改良の部の加藤孝志氏は、「私は、就農と同時に現在地に移転し酪農専業となりました。この土地は、粘土質で地力が無く作物もあまり取れませんでしたが、とにかく良い草を腹一杯食べさせたい、そのためには先ず土作りから、それが私の牛飼いとしてのスタートでした。学校卒業と同時に、溝口牧場で実習をさせていただきました。そこでの牛群管理や牛群改良がこれからの自分のあるべき姿となり目標となりました。その時には、初めての全道共進会で素晴らしい牛たちに感動し、チャンピオン戦で牛を引かせていただき、いつかは自分の作った牛でこの舞台に立ってみたいと強く思いました。良い牛を作りたい、よい管理を行いたい、そんな思いから輸入牛の導入や受精卵に取り組みました。道のモデル事業で導入したマウイの受精卵からは、現在80頭のファミリーになりました。中でも、栃木全共では、息子とともに親子で名誉賞・準名誉賞をいただき、若い時の夢を実現する事が出来ました。これも今までお世話になった多くの方々、素晴らしい先輩、良き仲間の応援があったからで、このような人々との出会いが現在の牛群を築く大きな力となったと思います。   
これからも、初心を忘れず、土作り草作りに力を注ぎ、人との繋がりを大切に、地域の仲間とともに良い牛を作り安定した経営を目指していきたい。」と述べられました。

 祝賀会では、北海道酪農協会長、金川幹司様のご発声により牛乳で乾杯し、ピアノ演奏やコーラスをバックに受賞者ご夫妻を囲み、終始和やかな雰囲気の中、全道各地から出席された仲間たちと、旧交を温めました。
 最後は、昨年の受賞者である弟子屈町の酪農家、江上健一様の音頭で本道酪農の発展と結束を誓い、盛会のうちに幕を閉じました。
祝賀会の乾杯を行う
北海道酪農協会
会長 金川幹司 様
閉めの発声を行う
弟子屈町 江上健一 様




平成21年度 定期総会開催
 北海道ホルスタイン改良協議会(会長;角倉光記)の平成21年度定期総会は、去る2月16日(月)KKRホテル札幌に各地区会員(26名)と、関係団体の出席を得て開催されました。
 角倉会長の「酪農情勢は厳しい状況が続いているが、ショウを通じて会員の皆さんの乳牛改良に対する意気込みと情熱を強く感じた一年であった。この情熱を絶やすことのないように本年度事業に結び付けて行きたい。また、来年開催される全国共進会には積極的に参加し成功に向けてバックアップをしたい」旨の開会挨拶に次いで、佐藤専務理事(道ホルスタイン農協)、荒木部長(ジェネティクス北海道)から祝辞をいただき、続いて来賓の方々が紹介された後、議事に入りました。
   
   
           
〔来 賓〕
(社)家畜改良事業団十勝種雄牛センター 高橋場長
ホクレン農業協同組合連合会酪農部 西野課長
オールジャパン・ブリーダーズ・サービス㈱ 竹田課長
㈱野澤組 札幌営業所 中込所長
全酪連 札幌支所 鳥山課長
協同飼料㈱ 細野課長補佐
   
 議長には佐藤 道寛氏(宗谷ホルスタイン協会)が選出され、提出された議案はいずれも原案どおり可決承認されました。
開会挨拶する角倉会長
   
     
〔主な事項〕 
2009年北海道ブラックアンドホワイトショウの開催
期 日 平成21年5月30日(土) ~ 31日(日)
場 所 十勝農協連家畜共進会場 (音更町)
北海道ジャージー酪農振興協議会から要請のあったジャージー種の部の組込みについて、9月開催の地区代表者会議において役員一任の了承を受け、未経産の部(2クラス)と経産の部(2クラス)の4クラスを新設する。(詳細は後述)
後代検定娘牛の部は、国内後代検定参加同一種雄牛産子3頭1組から2頭1組に変更する。
2010年北海道B&Wショウ審査員は、会員の要望により昨年の定期総会において「2010年の審査員は海外から招聘すること」との決定を受け、人選は役員一任で異議なく承認された。
2009年共進会ジャッジングスクールの開催
日 時 平成21年9月25日(予定)
場 所 釧路市家畜共進会場(釧路市)
釧路ホルスタイン協議会に一任。

 最後に、角倉会長から「今日提出した議案に対して皆さんの快い賛成を賜り可決成立いたしました。今後とも北海道の乳牛改良を推進するため関係団体のご協力とご支援をお願い申し上げ、皆さんの意見を取り入れ本協議会の運営に努めて参ります。本日はどうもありがとうございました。」と挨拶がなされ、本総会は滞りなく終了しました。



2009年北海道ブラック アンド ホワイト ショウの開催
期  日: 平成21年5月30日(土) 11:00~16:40
31日(日) 8:10~12:00
場  所:  十勝農協連家畜共進会場 (河東郡音更町)
審査員:  惣田 和雄 氏 (北海道佐呂間町・酪農家)
  
 北海道ホルスタイン改良協議会は、2月16日開催の定期総会において2009年北海道B&Wショウを5月30日(土)・31日(日)の2日間に亘り音更町の十勝農協連家畜共進会場で開催することが決定しました。
 今年の開催場所は、安平町の家畜市場(今年10月末、ホルスタイン農協とホクレン農協連との共有の家畜市場施設として完成予定)の新設工事に伴い、十勝管内音更町に変更します。
 また、今年はジャージー種の部の新設と、後代検定娘牛クラスの部の娘牛頭数を3頭1組から2頭1組に変更しました。
 出品牛の申込期日・審査区分・衛生条件などについては別記開催要領のとおりですので多数のお申込みをお願いします。また、開催に当たっては、関係団体各位の特段のご支援を賜りますようお願い申し上げるとともに、多くの皆様のご参観をお待ちしております。

   
1. 申込締切期日
平成21年5月8日(金)
2. 北海道ジャージー酪農振興協議会から要請のあったジャージー種の部の組込みについては、未経産の部(2クラス)と経産の部(2クラス)の4クラスを新設する。
(1) ジャージー種の出品条件
出品牛の資格は国内で登録されたジャージー種であること。(輸入牛並びに申請中のものも含む)
出品は、北海道ジャージー酪農振興協議会の会員に限る。(会員加入の促進、年会費:3000円)また、道外からの出品もホルスタイン種と同様に拒まない。
(2) ジャージー種の経産の部については乳器審査を同時に行い、ベストアダー及びセカンドベストアダーを表彰する。
(3) ジャージー種のチャンピオン決定は、ホルスタイン種と同時に行い、未経産及び経産のチャンピオンを決定する。
(4) ジャージー種の出品料、衛生条件はホルスタイン種と同様とする。
3. 初日の開始時間を、昨年より30分繰り上げ11時00分とする。
4. 出品牛の衛生条件については、ブルセラ病、ヨーネ病の血液検査について実施体制の見直しがあり北海道庁、十勝家畜保健衛生所、十勝農業共済組合と協議して進める。
5. 後代検定娘牛の部は、国内後代検定参加同一種雄牛産子3頭1組から2頭1組に変更し、奨励措置は次のとおりとする。
(1) ジュニアゲッツオブサイアー(未経産の部)   
褒賞 1位:3万円
2位:2万円
3位以降:1万円
(2) シニアゲッツオブサイアー(経産の部)
褒賞 1位:4万円
2位:3万円
3位以降:2万円
6. ジュニアカップ及びリードマンシップコンテストは昨年同様に実施する。
(1) 出品牛は未経産牛1クラスとし、11ヵ月未満とする。
(2) 第7部から第1部及び第2部への変更は認めるが、第1部及び第2部から第7部への変更は認めない。
(3) 管理運営のサポートは、北海道ジュニアホルスタインクラブ運営委員会が対応する。
(4) 誘導するリードマンの年齢は5月31日を基準日とする。
(5) 進行は、ジュニアカップで牛の序列を決定後、一度退場し再度入場してリードマンの順位を決定する。
7. 牛乳は、繋留場周囲に設置した貯乳槽に入れることを徹底し、貯乳槽以外の牛の洗い場、流し場には絶対に流さないようにする。出品者が牛乳を誤って排水溝へ投棄すると浄化施設の機能が壊れ、復旧に多額の費用(約20万円)がかかり、費用の負担は当事者に請求することになります。
8. ゴミ処理について
 昨年同様、牛乳・堆肥以外は各自持ち帰りとしますので、ご協力をお願い致します。
9. 守るべき出品マナー
 出品にあたって「守るべき出品マナー」(出品名簿に掲載)を遵守して下さい。
10. 付帯行事のハーズマンパーティはショウ前日の29日(金)午後6時から共進会場において開催する。
    
 ショウの詳細、入賞牛の速報はホームページを参照して下さい。
(https://www.holstein.or.jp)



2009年北海道ブラック アンド ホワイト ショウ開催要領
1. 目  的
ホルスタイン種の改良を図り、相互の親睦と技術の向上を期す。
2. 会  名
2009年北海道ブラック アンド ホワイト ショウ
3. 主  催
北海道ホルスタイン改良協議会
4. 事 務 局
北海道ホルスタイン改良協議会事務局 (北海道ホルスタイン農業協同組合内)
5. 協  賛
北海道ホルスタイン農業協同組合
十勝農業協同組合連合会
北海道ジュニアホルスタインクラブ運営委員会
北海道ジャージー酪農振興協議会
6. 後  援
(社)ジェネティクス北海道
(社)家畜改良事業団
(株)十勝家畜人工授精所
ホクレン農業協同組合連合会
オールジャパン・ブリーダーズ・サービス(株)
(株)野 澤 組
全国酪農業協同組合連合会
協同飼料(株)
アニマル・ジェネティックス・ジャパン(株)
7. 会  期
平成21年5月30日(土) 11:00~16:40
         31日(日)  8:10~12:00
8. 場  所
河東郡音更町音更西2線9-1
  十勝農協連家畜共進会場
9. 出品区域
 北海道一円(道外からの出品も拒まない)
10. 出品頭数
 約220頭
11. 審 査 員
 主催者が委嘱する。
12. 出品牛の資格
 国内で登録されたホルスタイン種及びジャージー種。(輸入牛ならびに申請中のものも含む)
 第7部のジュニアカップは北海道ジュニアホルスタインクラブ会員もしくは改良に意欲のある20歳以下のものが誘導すること。又、自己で出品牛の毛刈りと世話をすることを基本とする。第7部の出品牛は、第1部及び第2部出品牛と重複しないこと。
13. 申込期限
 平成21年5月8日(金)まで事務局(ホル協)へ申込むものとする。申込み締切り後は、申込牛の入替えは認めない。
14. 申込の方法
 出品希望者は、申込書に出品申込料および登録証明書の写し、又登録申請中のものは、申込書写しを添えて申込むものとする。ただし、出品申込料は理由の如何にかかわらず返金しない。
15. 会場申込み
 平成21年5月29日(金)17時まで、共進会場にて受付する。前記の書類および衛生検査証明書を必ず持参すること。ただし、出品名簿には掲載しない。
16. 出品申込料
 1頭につき2,000円とし、会場申込みは1頭につき10,000円とする。
17. 審査区分
 別表のとおりとする。
18. 年齢区分
 出品牛の年齢は平成21年5月31日を基準とする。
19. 出品牛の搬入
 平成21年5月28(木)午前9時から午後5時、29日(金)午前9時から午後5時までに会場に入場しなければならない。
20. 出品牛の衛生条件
 出品牛は、ブルセラ病・結核病・ヨーネ病・アカバネ病・牛呼吸器病について、別表の衛生条件を満たし、所定の衛生検査・予防接種・健康検査を済ませ、獣医師が発行する「衛生検査・予防接種・健康証明書」(別紙)を提出することとする。
 又、真菌症等の皮膚病に罹患していないこと及びイボ等体表(乳房も含む)に異常のないこと。
21. 牛  乳
 受入れしない。ただし、貯乳槽を用意する。
22. 付  則
(1) 出品牛の退場は、原則として全審査終了後とする。
(2) 出品についての経費および事故による損害は出品者の負担とする。
(3) 審査時間までに審査場に入場しないものは欠場とみなす。
(4) 出品牛は、牛の個体識別のための情報の管理及び伝達に関する特別措置法(平成15年法律72号)第9条に規定する所定の耳標を装着しているものとする。
(5) 第7部のジュニアカップは出品牛の序列を決定し、併催のリードマンシップコンテストはリードマン技術の順位を決定する。
(6) 審査、擬賞に対して異議の申し立てをすることは出来ない。
(7) 出品牛の体の欠陥を欺く目的で、手術又は不正な手段を加えたと認められた時は、失格とする場合がある。
(8) ジャージー種の部に出品する場合は、北海道ジャージー酪農振興協議会会員であること。
(9) その他、この要領に定められていない事項は、主催者が決める。
(10) 出品申込料振込先
  北海道信連本所 普通預金口座
口座番号:064-1914
口 座 名:北海道ホルスタイン改良協議会
23. 付帯行事
(1) 酪農機械器具・資材展示会
(2) ハーズマン・パーティ
日時:平成21年5月29日(金)18:00
場所:十勝農協連家畜共進会場
  
  
別表
出品牛の衛生条件
検 査 ・ 注 射 等 の
証明が必要な疾病等
衛  生  条  件  等 携帯が必要な証明書の様式
ブルセラ病 ・搬入日前1年以内にスクリーニング法(急速凝集反応法)による血液検査又は確定検査(試験管凝集反応法及び補体結合反応法)を実施し陰性であること。(生後90日未満のものにあっては獣医師の臨床検査による) 獣医師の発行する証 明 書
結核病 ・搬入日前1年以内に検査を実施し陰性であること。(生後90日未満のものにあっては獣医師の臨床検査による)
ヨーネ病 ・搬入日前6ヵ月以内に家畜保健衛生所のスクリーニング法(スクリーニング用エライザキットを用いた方法)による血液検査又は確定検査(エライザ法)を実施し陰性であること。(生後6ヵ月齢未満のものにあっては獣医師の臨床検査による)
 出品牛は国が定めた「牛のヨーネ病防疫対策要領」に基づきカテゴリーⅠに分類される農場で飼養されていること。
 カテゴリーⅡに区分される農場から出品する場合には、患畜最終発生後、3ヵ月以上の間隔を空け2回のスクリーニング法による血液検査又は確定検査を実施し陰性であり、移動自粛期間(最終発生から6ヵ月)を経過していること。
アカバネ病 ・搬入日前3週間以上6ヵ月以内に獣医師による予防接種を受けていること。
牛呼吸器病
<牛伝染性鼻気管炎
(IBR)、牛ウイルス性下痢-粘膜病(BVD・MD)1型 2型、牛パラインフルエンザ(PI)、牛RSウイルス感染症(RS)、牛アデノウイルス感染症(AD)>
・搬入日前3週間以上6ヵ月以内に獣医師による予防接種(6種混合不活化ワクチン)を受けていること。

健康である旨の証明 ・搬入日前1週間以内に獣医師による臨床検査を受けていること。
注1: 監視伝染病等の発生農場からの出品については、他の出品家畜への感染の可能性も否定できないことから、原則として出品を認めない。ただし、清浄化の判断ができる場合はこの限りではない。
注2: 真菌症等の皮膚病及びイボ等体表(乳房も含む)に異常があるものは、他の牛への感染の恐れがあるため、羅患牛は出品を認めない。
注3: 「カテゴリーⅠ」とは、清浄確認が行われており、牛のヨーネ病防疫対策要領第3「発生予防対策」の規定により予防対策を講じ、かつ、第6の1「サーべイランスの実施及び証明書の交付」に定めるサーベイランスで陰性が確認された状態をいう。
「カテゴリーⅡ」とは、本病の発生があり、第4「発生確認時の防疫措置」に規定する措置又は第5「まん延防止対策」に規定する対策を講じている状態をいう。
  
2009年 北海道B&Wショウ審査区分
ホルスタイン種の部 基準日 平成21年5月31日
部 別 区   分 月・年 齢 生年月日の範囲
第1部 育成ジュニアクラス 9ヵ月未満 平成20年9月1日 以降
第2部 育成シニアクラス 9ヵ月以上12ヵ月未満 平成20年6月1日 ~ 平成20年8月31日
第3部 未経産ジュニアクラス 12ヵ月以上15ヵ月未満 平成20年3月1日 ~ 平成20年5月31日
第4部 未経産ミドルクラス 15ヵ月以上18ヵ月未満 平成19年12月1日 ~ 平成20年2月29日
第5部 未経産シニアミドルクラス 18ヵ月以上21ヵ月未満 平成19年9月1日 ~ 平成19年11月30日
第6部 未経産シニアクラス 21ヵ月以上24ヵ月未満 平成19年6月1日 ~ 平成19年8月31日
第7部 ジュニアカップ 11ヵ月未満 平成20年7月1日 以降
第8部 ジュニア2歳クラス 30ヵ月未満 平成18年12月1日 以降
第9部 シニア2歳クラス 30ヵ月以上36ヵ月未満 平成18年6月1日 ~ 平成18年11月30日
第10部 ジュニア3歳クラス 36ヵ月以上42ヵ月未満 平成17年12月1日 ~ 平成18年5月31日
第11部 シニア3歳クラス 42ヵ月以上48ヵ月未満 平成17年6月1日 ~ 平成17年11月30日
第12部 4 歳 ク ラ ス 4歳以上5歳未満 平成16年6月1日 ~ 平成17年5月31日
第13部 5歳・成牛 ク ラ ス 5歳以上 平成16年5月31日 以前
第14部 ベストスリーフィーメイル 経産牛3頭1組
第15部 カウンティハード 支庁対抗 5頭1組(未経産牛2頭以上含むこと)
   チャンピオン決定
   プレミアブリーダーおよびプレミアエキジビター
後代検定娘牛の部      
第16部 ジュニアゲッツオブサイアー 国内後代検定参加同一種雄牛産子2頭1組(未経産)
第17部 シニアゲッツオブサイアー 国内後代検定参加同一種雄牛産子2頭1組(経 産)
ジャージー種の部
第18部 ジャージー種 未経産 12ヵ月以上17ヵ月未満 平成20年1月1日 ~ 平成20年5月31日
第19部 ジャージー種 未経産 17ヵ月以上22ヵ月未満 平成19年8月1日 ~ 平成19年12月31日
第20部 ジャージー種 経 産 36ヵ月未満 平成18年6月1日 以降
第21部 ジャージー種 経 産 36ヵ月以上 平成18年5月31日 以前
(注) (1) 出品頭数の少ない部は、他の部と合併して審査することがある。
(2) 第8部から第13部までの各部及び第20部、第21部については、乳器審査を同時に行い、ベストアダーおよび、セカンドベストアダーを表彰する。
(3) ベストスリーフィーメイルは、同一農家で飼養されている経産牛3頭1組とする。
(4) 導入牛については、平成21年5月8日までに移動証明が完了していること。
(5) プレミアブリーダーおよびプレミアエキジビターの条件
1牧場3頭以上出品   得点     未経産  1位→10点~10位→1点
  経 産  1位→20点~10位→2点
   



平成21年度定期総会開催
  
  
開会挨拶をする星崎会長 来賓挨拶をする
ホルスタイン農協 佐藤専務
  
 北海道ジュニアホルスタインクラブ運営委員会(星崎政博会長:本別JHC)は、去る2月17日(火)北海道ホルスタイン農協会議室で本年度定期総会を開催いたしました。
 当運営委員会は道内各地区のジュニアホルスタインクラブ(JHC)を統括し、運営の意見交換する会であり、主な行事は北海道ホルスタインナショナルショウのジュニア酪農教室や写真コンテストの参加ですが、各JHCでは、地域の特色を生かし、関係団体と連携を取りながら後継者育成に取り組んでいます。
 今年度の定期総会には17クラブの代表者及び事務局担当者等31名が出席し、20年度事業報告及び収支決算報告、次年度の事業計画案と予算案が承認されました。
 また、音更町での開催が決まっている、秋の北海道ホルスタインナショナルショウの付帯行事であるジュニア酪農教室講師の人選については役員一任とされ、春の北海道ブラックアンドホワイトショウ・ジュニアカップにおける、運営委員会での全面協力などが再確認されました。




北海道ホルスタイン農協

第63回通常総会
日時: 平成21年5月27日(水)
   午前11時00分
   
場所: 『かでる2.7』
札幌市中央区北2条西7丁目




    ~栄誉~ 第6回全日本ホルスタイン共進会(兵庫県淡路島)

 全日本ホルスタイン共進会、第1回が開催された1951(昭25)年から前回の2005(平17)年までに54年の時が流れています。今月号ではその歴史の中ほどにあたる、第6回全共の様子を振り返ってみます。
 第6回全日本ホルスタイン共進会は、1975(昭50)年10月29日~11月3日の6日間兵庫県淡路島の津名町(現在の淡路市)において開催されました。
 この全共の当初計画においては、六甲山の北側兵庫県西宮市に建設を進めていた阪神流通センターを会場とし、中国縦貫道の完成記念行事としてその開催を予定していました。しかし、1971(昭46)年にあった為替の変動相場制移行による景気の変動と(それまでは1㌦360円)、1973(昭48)年に起きたオイルショックによる原油価格高騰の影響により、

   
終戦以降継続していた高度成長が途切れ、日本経済は不況に陥り、総需要抑制政策によって大型公共事業の凍結や縮小が相次ぎ、阪神経済センターの建築と整備が大幅に遅れていたため、会場の変更を余儀なくされ、急遽大阪湾を望む淡路島津名町の埋め立て地が選定されました。当時は、本州と淡路島を結ぶ明石海峡大橋や四国と淡路島を結ぶ大鳴門橋は完成を見ていないので、出品牛の島への輸送はフェリーによる交通手段のみであり、その搬送計画について周到に検討協議された様子が記録に残っています。
 第6回全共では、東京都、鹿児島県、沖縄県を除く44道府県から291頭の出品があり、北海道は46頭の出品でした。
 名誉総裁には第4回全共より引き続いて秩父宮妃殿下をお迎えし、アメリカ・カナダ・韓国・イタリアなどからの視察団の来訪があり、会期中に訪れた参観者の総数は20万人でした。

第6回全共  出品頭数    291頭
ホルスタイン種 未経産牛 第1部 28頭   12月~15月
第2部 27頭   16月~19月
第3部 26頭   20月~23月  
第4部 20頭   24月~27月  
経 産 牛 第5部 23頭   2歳  
第6部 33頭   3歳
第7部 21頭   4歳
第8部 48頭   5歳以上
ホ種系 経 産 牛 第9部 4頭     
父系統群 第10部 14組   4頭 1組  
母系統群 第11部 14組   娘2頭
乳器 第12部 8組   第5部~第11部
   
出品牛の条件: 本牛もしくは母牛に審査・検定成績の資格条件があり、高等・保証・2代本の各登録済か申請中のものでなければならない。
 第6回全共では従前の審査区分や審査方法に変更が加えられています。
 雄牛のクラスは、出品頭数が少なく、出品する地域に偏りがあることから廃止となっています。ホ種系の部門では、第1回全共からホ種系の重要性とその発展が唱えられていましたが、この時代のホルスタイン牛は“ホ種系”から“ホ種”への移行が進み、その発展意義が薄れて来ている背景があり、出品頭数が極端に少ない未経産のクラスが廃止されました。また、ホ種系で残された経産牛のクラスは僅か7頭の出品でした。
 審査の進行においては、円形歩行審査を採用し、3頭毎に行われた個体審査の後、現在と同じ時計回りの円形歩行審査によって1回目と2回目の比較審査が行われています。

〔最高の結果と最高の栄誉〕
 第6回全共では、清水町の西倉栄吉(敏昭)さんが、これ以上ない素晴らしい成績を収めています。出品牛3頭により未経産・経産・乳器・父系統群の4部門で名誉賞を獲得しました。西倉さんは、第5回全共の未経産牛部門でも名誉賞を受賞しており、2大会連続名誉賞受賞ともなっています。地元の予選とともに北海道共進会を勝ち抜き、全共に駒を進め、出品した部門全てで頂点を極めたことの栄誉の大きさは想像に余りあるものです。出品されたご本人やご家族あるいは周りの方々の喜びはいかほどのものだったのでしょうか。
 最高の結果と最高の栄誉でした。
 なお、この後に、このような素晴らしい成績を収めたのは、2005(平17)年の第12回栃木全共で、西倉さんと同じ清水町の高橋喜一さん出品の未経産牛2頭と、旭川市の加藤智宏さん出品の経産牛2頭が、それぞれ名誉賞と準名誉賞を獲得しています。この受賞結果は、記憶に新しいところですね。(受賞決定の時に高橋さんご兄妹と加藤さん親子が見せた感激の表情が深く印象に残っています)

 第3回全共から個体審査の部門は1戸2頭の出品制限が設けられています。第6回全共では、現在のように『最高位賞』は設けられていません。また、この時の名誉賞は『ホ種未経産牛』『ホ種経産牛』『ホ種系経産牛』『父系統群』『母系統群』『乳器』の6部門でした。
 
1975(昭50)年 第6回全共
   
未経産部門  名誉賞 清水町:西倉栄吉
          
 ウエストヒル サリー クリスタン 2才3月
  父:ローマンデール カウント クリスタン
  
経産部門・乳器  名誉賞 清水町:西倉栄吉
      
 アデイロンダツク ラツス ローヤル 6才1月
  父:ロイブルツク テルスター
 
  
父系統群  名誉賞〔手前〕清水町:西倉敏昭
 インペリアル ピーターチエ マドキヤツプ 4才7月
  父:カーネーシヨン マドキヤツプ コンケスト
〔ローマンデール カウント クリスタン-その1〕
 第6回全共の出品牛を父牛別に整理し上位3頭をみると、エルクカー ローヤル ホープ13頭、ローマンデール カウント クリスタン12頭、プレステージ オブ レークハースト12頭となっています。この3頭、いずれも当時を代表する名種雄牛です。中でも、優等賞以上では、クリスタンが未経産部門の名誉賞を始めとし計6頭が入賞しています。
 第1回から第12回までの全ての全共出品牛を父牛別に集計してみました。出品総頭数は3,229頭であり、これら出品牛の父牛の数は1,130頭となっています。この1,130頭の中で一番出場回数が多いのは、やはりクリスタンでした。(想像した通りの結果です)では、何頭出現したのでしょうか?
 次の表に、父牛別出場頭数の上位(19頭、娘牛20頭以上)を整理しました。


第1回~第12回   
全共出品牛の父牛別頭数 開催全共 頭数
1 ロ-マンデ-ル カウント クリスタン 6-7-8-9-10 149
2 レ-ガンクレスト エルトン ダ-ハム ET 12  67
3 ブラウンデ-ル サ- クリストフア- 7-8-9-10 58
4 ロツクリンマ エレベ-シヨン マリナ- 7-8-9-10 54
5 バ-ウ-ド プリンス バリアント 8-9-10-11 43
6 パインハ-スト コピ-ライト 7-8-9 37
7 ジ-メトカ-フ バリアント ミステイ マツクス イ-テイ- 9-10-11 37
8 ロ-マンデ-ル エラ ゴ-ルドバツク イ-テイ- 10-11 36
9 ボ-レツト チヤ-ルズ ET 11-12 32
10 エルクカ- ロ-ヤル ホ-プ 6-7-8 31
11 ロ-マンデ-ル クリスタル カウント 7-8-9-10 27
12 カルブレツトアイ H H チヤンピオン ET 12 26
13 リステル ラデユツク ET 12 26
14 アグロ エ-カ-ス シユ-プリ-ム 6-7-8 24
15 オ-クヒルランチ キツト 11-12 23
16 プレステ-ジ オブ レ-クハ-スト 6-7-8-9 23
17 ハノ-バ-ヒル スタ-バツク 9-10-11 22
18 カ-ネ-シヨン アイデアル ウインサム 4-5-8 21
18 カ-ネ-シヨン ロ-ヤル ヒツト パレ-ド 4-5-6 21
     
 ごらんの通り、クリスタンが抜きん出た出場回数となっています。全共毎の内訳では、第6回12頭、第7回93頭、第8回39頭、第9回4頭、第10回1頭、計149頭となっており、5年毎に開催される全共において、5回20年に渡りその名を刻んでいます。ん~、凄いですね。集計しているうちに感嘆の溜息が出てしまいました。クリスタンの詳細な栄光の記録については、彼が最も輝いていたであろうと想像する第7回全共の様子を振り返る時(6月号を予定)に改めて紹介させていただきます。

 『全日本ホルスタイン共進会』、新たな驚きとともに心が躍り出すような出来事が連続する素晴らしい催しです。
〔100年という歳月を振り返る〕
 このシリーズは、第13回全共北海道大会の開催にあたり、今まで開催された全共の歴史を回顧してみようとのことから連載が始まりました。全共北海道大会の実行委員会が設立された時の趣意書につぎの文言が織り込まれています。
 
  
~略~
 北海道酪農の歴史の中で、日本酪農の父と讃えられる宇都宮仙太郎翁が初めて純血種としてホルスタイン種50頭をアメリカから導入(1907年)し、時を同じくして、ホルスタイン種の登録も開始され、本格的な酪農と乳牛の改良が始まったのが今から100年余り前のことであります。
 北海道の酪農家が、厳しい自然と肥沃とは言い難い大地に根付き、「土作り・草作り・牛作り」を連綿と繰り返され築き上げた結果として、個体能力の向上とともに全国の半数を超える乳用牛頭数を占めるまでになったことは、翁の功績によるところが大であると認識している次第であります。
~略~
 北海道酪農の基礎を築き、ホル種の導入から100年余りが過ぎようとする中で、今一度、100年という歳月を振り返る意味も込めて、ここ北海道において、第13回全日本ホルスタイン共進会が平成22年度に開催されることとなっております。
~略~
 
 ここで、100年余りという長い歳月の一端を振り返ってみます。
 乳用牛(乳用種)、もともとは日本には存在していなかったので、現在のホルスタイン種(以降ホル種)を始めとする乳用種は外国由来のものです。宇都宮仙太郎翁をはじめとする酪農の先達がホルスタイン種牛(登録牛・公的記録の残る牛)の本格輸入を始めたのが今から100年余り前の1907(明40)年とあり、以降、改良と増殖により現在にいたっています。では、それ以前にどんな品種の乳用牛が日本に輸入され飼養されていたのでしょうか。
 先月号でもその一端を紹介しましたが、日本の主となる乳用牛がホル種に集約されるまでは、1869(明2)年頃より、ショートホーン・デヴォン・エアシャー・ガンジー・ジャージー・ブラウンスイス・ヘレフォード・シンメンタールなどといった多様な品種の牛が輸入されています。これらは、狭く小さな農地と穀物生産を基本とする日本の農業環境に適合する日本的な乳用種や肉用種、あるいは乳肉兼用種(役用兼用種)の作出と増殖を図るための政府による施策であったようです。ホル種が日本に輸入されたのは、これらの輸入が始まってから20年が経過した1889(明22)年が初めてでした。(これを含め、記録が定かでないホル種と思われる牛や白黒斑牛の輸入が有ったようです)
 1907(明40)年に集計された外来種の種雄牛の分布を下表に示します。
 
1907(明40)年外来種の頭数分布(種雄牛検査簿)
  純  粋  種   雑 種 
全国 北海道 全国 北海道
ホルスタイン 321 11 871 12
エアシャー 338 66 323 26
ジャージー 16   12  
ショートホーン 63 44 103 23
ヘレフォード 8 4  
シンメンタール 10      
ブラウンスイス 60 60   63
農商務省
     
 明治初期から様々な品種の牛が輸入されて以来40年ほどが経過したこの時には、ホル種とエアシャー種がその多数を占めています。また、兼用種としてショートホーン種も多数ありましたが、後に短角種へと移り変わっています。
 1907(明40)年に、北海道で民間人としてホル種の最初の輸入を行ったのが宇都宮仙太郎翁をはじめとする酪農の先達でした。この輸入での特徴的なこととして『素性が解る、登録などの記録が明確だった』ということが、以降のホル種の発展に大きな貢献となりました。(宇都宮仙太郎、小林直次郎、吉田善吉、塩野谷平蔵、町村敬貴 各氏らによってホル種が北海道に輸入され乳牛改良のさきがけとなり、本格的な基礎を創りました)
 この後の1912(明45)年に、政府は酪農畜産に対する政策方針として今後の日本の牛の品種を定めることを項目とした『臨時産牛調査会』を設置し、『エアシャー・ホルスタインの2種を以て乳用牛の改良増殖を図るとし、各地に適応する品種の固定を図ること』と答申されました。この時、公の場でホル種が日本における将来の乳用牛として取り上げられたようです。
               【参考】
イギリスのエアシャー種牛
1976年 Royal Show Grand Champion
[養賢堂:内藤元男著原色図説世界の牛] より引用

   
   
〔こぼれ話…家畜富士登山競走〕
 日本の乳用牛の歴史を紐解いて行く間に、愉快な記録がこぼれて来ましたので…
 1930(昭5)年7月、東京日日新聞(当時の二大紙、現在の毎日新聞)の主催でロバ・牛・山羊・豚によって富士山頂上までの登山競走が行われました。この競争は、冗談や話題づくりといった遊びのたぐいの催しものではなく、科学的に調査研究を行うことが目的のようでした。結果は、出場した(させられた)4種4頭ともゴールである富士山頂に到着しています。牛についての結果解説では、朝鮮牛(役・肉用牛)で体重約563㎏の8才雌、距離10.4㎞標高差2,760mを平均時速1.29㎞、経過時間8時間15分で走破(?)しました。途中に設けられた数ヵ所のチェックポイントでは経過時間・体温・脈拍数・呼吸数が計測されています。ここまでは本当に真面目な調査研究のように思えます…が、解説によると『2合目で暫時の休息と飼料・水が給与され、8合目で牛の舌を洗い休息の後、ビールとお銚子を付けた。「動物の空腹が、登山能力に非常な影響を及ぼす」と記録に述べている』とあります。空腹だと力が出ないのは私たち人間だって同様だと思うのですが~、そして、飲み助の自分を考えるにビールだけならまだしも…更にお銚子が入ると…なるほど~確かに元気が出ますね!?
 蛇足ですが、牛以外の家畜の登山所要時間は、ロバ8時間45分、山羊18時間19分、豚29時間55分とのことです。
 ちなみに、富士登山競走という人間が駆け上がる競技が毎年開催されています。距離21㎞、標高差約3,000m、最高記録2時間32分40秒とあり、昨年の参加者は2,500名で申し込み多数のため抽選によって出場権が得られたとのことです。これは、一般人には考えられない競技ですね。

  家畜富士登山競走:日本の乳牛ホルスタイン史 [畜産16巻10号(昭5)]
   

      
【1975年(昭和50年)】
         [出来事]  ベトナム戦争終結
第1回先進国主脳会議
沖縄海洋博
三億円事件時効
LL牛乳発売(1976年)
[世 相] 複合汚染
ニュートラディッショナル
使い捨てライター
中ピ連
[う た] シクラメンのかほり
心のこり
昭和枯れすすき
港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ
22才の別れ
我が良き友よ
さらばハイセイコー
[物 価] ビール 180円                     
かけそば 150円
はがき 10円
封書 20円
ハイライト 120円
大卒初任給
9万1272円
     

 終戦以降継続していた高度経済成長が終焉し、景気低迷の只中にあった1975(昭50)年、予定されていた会場が急遽変更されるという緊急事態にもかかわらず、実行委員会を始めとする関係者の大きな努力と労苦により「花とミルクとオレンジの島」兵庫県の淡路島津名町(現在の淡路市)において西日本初の第6回全共が盛大に開催されました。
 来月号では、引き続き第6回全共の様子と上位入賞牛を紹介します。
資料・写真 第6回全日本ホルスタイン共進会記念誌
デーリィマン1976-第26巻・第1号
家畜登録事業発達史
日本の乳牛 ホルスタイン史
養賢堂:内藤元男著:原色図説世界の牛



体型審査の予定は次のとおりです。
も寄りの登録取扱団体にお申し込み下さい。

日程 5月7日~5月20日
 □十勝地区
   中札内・更別・大樹・広尾・忠類
 □釧路地区
   標茶・浜中・厚岸
 □根室地区
   根室・別海・標津
 □網走地区
   北見・相内・上常呂・置戸・訓子府・端野・美幌・女満別・津別
 □留萌地区
   全管内
 
日程 6月2日~6月13日
 □胆振・日高地区
   全管内
 □十勝地区
   帯広・川西・大正・音更・木野・高島・池田・幕別・札内
 □根室地区
   上春別・中春別・計根別(一部)
 □網走地区
   網走・佐呂間・常呂・東藻琴・斜里・小清水・清里
 □宗谷地区
   全管内

日程 6月16日~6月27日
 □石狩地区
   全管内
 □空知地区
   全管内
 □十勝地区
   豊頃・浦幌・本別・足寄・陸別
 □根室地区
   西春別・中標津・計根別
 □網走地区
   紋別・上渚滑・雄武・興部・滝上・西興部
 
日程 7月7日~7月18日
 □上川地区
   全管内
 □後志・渡島・檜山地区
   全管内
 □十勝地区
   新得・清水・芽室・鹿追・士幌・上士幌
 □釧路地区
   釧路・阿寒・鶴居・幌呂・白糠・音別・弟子屈
 □網走地区
   丸瀬布・遠軽・上湧別・湧別・芭露・生田原・白滝・留辺蘂・温根湯

日程 7月22日~8月1日
 □十勝地区
   中札内・更別・大樹・広尾・忠類
 □釧路地区
   標茶・浜中・厚岸
 □根室地区
   根室・別海・標津
 □網走地区
   北見・相内・上常呂・置戸・訓子府・端野・美幌・女満別・津別
 □留萌地区
   全管内
 
日程 8月24日~9月4日
 □胆振・日高地区
   全管内
 □十勝地区
   帯広・川西・大正・音更・木野・高島・池田・幕別・札内
 □根室地区
   上春別・中春別・計根別(一部)
 □網走地区
   網走・佐呂間・常呂・東藻琴・斜里・小清水・清里
 □宗谷地区
   全管内




人 事 異 動
発 令 事 項 氏   名 前   職
平成21年2月28日付 願により職を解く 大橋 真吾 電算部電算開発課技師
平成21年3月31日付 期間満了により職を解く 安井 杏沙 臨時職員



ひとこと
 皆さんは、1日何リットルの水分を摂っていますか。私は、1日2リットルは最低でも飲んでいると思います。水といっても最近は多くのミネラルウォーターがあり、それを利用しています。日本人が1年間に飲むミネラルウォーターは、2リットルのペットボトル約10本で、この10年間に約3倍、20年前と比較すると28倍にも成っています。
 人間の体の約60%は水分で出来ていて多くは、汗や尿で体外に排出されており水を循環させることで健康な状態を維持出来ているそうです。そもそも何故私が多く水分を摂っているかと言うと、よく扁桃腺が腫れるからです。扁桃腺が腫れると熱が出ます。この熱を調節するのに水分を多く摂りなさいと病院で言われてからです。また、血流の流れも良くしてくれ、脳血栓や心筋梗塞の予防効果や新陳代謝を良くして美肌にも効果があるそうです。
 アルコールを飲む時にも悪酔いや二日酔いを防止するには、とにかく、アルコールと一緒に水を飲むのが一番で血液中のアルコール濃度を下げたり胃の粘膜への刺激を抑えたりすることができ、水を飲む分、トイレにも行く回数も自然と増えるので、尿と一緒にアルコールを体外に出すことも可能です。また、最近では料理の味(素材の旨み)を引き立てる水(調味料)としてミネラルウォーターが使われています。ごはんを炊く際も、軟水やアルカリイオン水を用いることでよりおいしく炊き上がるそうです。
 普段もそうですが、出張の時は必ずミネラルウォーターのペットボトルを購入して車の中で飲んでいます。種類もたくさんあるので飲み比べています。水分補給の際は、あまり冷やし過ぎずに、こまめに飲むよう習慣付けるのが基本で、起床時・就寝時にコップ1杯の水を飲みましょう。
 アルコールを減らして水(ミネラルウォーター)を多く摂って健康維持に繋げたいと思います。
T.T

 
Copyright (C) 2008 Hokkaido Holstein Agricultural Cooperation . All Rights Reserved