2010-8



『第10回登録情報の活用に係る検討会』を開催
交配相談システムは繁殖に係る形質を拡充
交配相談モニター農家における改良の成果が明らかに


 6月25日(金)、交配相談システムなど登録情報活用システムを利用している北海道内の登録取扱団体担当者が参集しました(表2)。
 本検討会は、平成15年6月に第1回が開催されて以来、今回で10回目となります。北海道における近交係数の推移、遺伝的能力の改良状況や交配相談モニター農家における改良の成果について報告しました。

 北海道の近交係数は横ばい、繁殖能力は低下傾向に
 北海道におけるホルスタインの近交係数は、1990年以降急激に上昇し、2005年には平均5%を超えましたが、近年、その上昇傾向に鈍化が見られています(図1)。泌乳形質の遺伝的能力は、近年、改良速度に遅滞が認められる状況ですが、体型形質の改良は、加速度的に進んでいます。一方、繁殖形質は、妊娠率が低下傾向を(図2)、空胎日数は延長傾向を示し(図3)、繁殖能力の低下が懸念されます。

 交配相談システムは繁殖・分娩形質を強化
 このような状況の中、既に利用中である妊娠率に加え、今年から空胎日数、分娩形質(難産率および死産率)、ボディコンディションスコア(BCS)の遺伝評価を開始し、交配相談システムで利用していきたいと考えています。特に、繁殖形質は、遺伝率が低く、泌乳形質と負の遺伝相関を示す形質が多いため、繁殖形質の育種価のみで種雄牛を選抜すると、肝心な泌乳・体型形質の改良が停滞する恐れがあります。そこで、あらかじめ繁殖形質の育種価が極端に低い種雄牛を除外し、残った種雄牛の中から泌乳・体型形質の育種価が高い種雄牛を選抜することで、泌乳・体型形質の改良を進めながら、繁殖形質も同時に改善することができます。このような2段階選抜は、交配相談システム中の、種雄牛選定システムで容易に行えるよう改善しました。また、繁殖形質と遺伝相関が高いBCSは、間接反応による繁殖能力の改善が期待できるため、今年度から交配相談システムに加え、利用できるようにします。


 交配相談モニター農家における改良の成果について
 当組合では、交配相談システムの有効性を検証するために、6団体10戸の交配相談モニター農家の協力を得て、積極的に交配相談システムの推奨種雄牛を利用してもらい、その生産牛の遺伝的能力を調べました。2005年から2009年までの5年間のモニター期間を経て、交配相談モニター農家の全生産牛のうち約30%が、交配相談システムで推奨された種雄牛によって誕生しました。これら交配相談システムによって生産された雌牛と、それ以外の雌牛の近交係数および育種価を比較したところ、交配相談システムによる生産牛は、近交係数が0.39%低く、遺伝的能力は、乳量で+51㎏、決定得点で+0.80優れていたことが判明し、交配相談システムの有効性が示されました(表1)。


 本検討会が開始されて7年が経過し、今回で10回目を数えました。この7年間で、登録情報活用システムは、操作方法や提供情報の内容に関して、大幅に改善され、出席者からは「このような素晴らしいシステムは、もっと普及させて乳牛改良に活用すべきだ」とのお言葉をいただくまでになりました。今後は、システムの改善はもちろん、啓蒙普及にも、さらに力を入れ、乳牛改良と酪農家の役に立つ情報を提供していきたいと考えています。
(登録部改良課 後藤裕作) 
     
 
   
表1.交配相談モニター農家の生産牛における
   近交係数および育種価の統計量
平均値 最小値 最大値
近交係数(%) 4.84 1.88 7.56
5.23 1.06 28.28
乳量(kg) 107 -1,384 1,001
56 -1,397 1,350
乳脂量(kg) -0.5 -48.0 31.0
0.3 -52.0 46.0
乳タンパク
質量(kg)
2.3 -35.0 21.0
1.7 -33.0 24.0
肢蹄 0.13 -1.26 2.56
-0.38 -2.28 2.71
乳器 0.24 -1.72 1.90
-0.54 -3.91 2.27
決定得点 0.14 -1.90 2.15
-0.66 -3.81 2.43
妊娠率(%) 41 35 50
42 32 55
            上段:交配相談による生産牛  
            下段:交配相談によらない生産牛

表2.検討会 出席者
団  体 氏  名
 東宗谷農業協同組合 石黒 尚人
 北宗谷農業協同組合 伊東 孝弘
 幌延町農業協同組合 梅津 正明
 十勝農業協同組合連合会 大井 裕樹
 鹿追町農業協同組合 太田  悟
 豊頃町農業協同組合 岡田 博史
 釧路地区農業共済組合 小川 正男
 大樹町農業協同組合 折笠 唯史
 道東あさひ農業協同組合 西春別支所 木下 広行
 天塩町農業協同組合 小山 政憲
 釧路農業協同組合連合会 斉藤 晃一
 オホーツク農業共済組合本所 志鎌 信言
 浜中町農業協同組合 家畜人工授精所 鈴木  茂
 根室生産農業協同組合連合会 瀬野  翼
 宗谷南農業協同組合 高橋真寿美
 オホーツク農業共済組合
        興部支所興部診療所
竹田 浩二
 釧路丹頂農業協同組合
      白糠支所音白人工授精所
竹村  望
 摩周湖農業協同組合 野下 秋男
 釧路地区農業共済組合
  東部事業センター厚岸家畜診療所
前田 昌紀
 釧路丹頂農業協同組合 幌呂支所 牧野  稔
 オホーツク農業共済組合
      湧別支所湧別家畜診療所
松山 廣志
(敬称略、五十音順)



『酪農学園大学と北海道ホルスタイン農協との包括連携協定に基づく』
乳牛改良プロフェッショナル講座
  
 先般、酪農学園大学において今年度2回目となる『乳牛改良プロフェッショナル講座』が行われました。
 この講座は、当組合と酪農学園大学・短期大学部が昨年度に締結した「包括的連携と協力に関する協定」による人材育成の一環として実施されているものです。

 青空が広がり、真夏の到来かと思うような暑い一日となった7月2日、酪農学園大学の付属農場で酪農学科2年の家畜管理栄養学の実習として【乳牛の体型と長命性との関連に関する講義:体型審査と線形評価法】が行われ、当組合審査部の佐藤部長、渡部企画担当次長、千葉審査課長、田井企画課主幹、高橋審査役の5名が講師を担当いたしました。
この講義は、単位認定科目であることから115名の出席があり、当組合が用意した写真と図解入りのテキストブックを参考書とし酪農学園大学が飼養している経産牛を供試牛に用い、牛の見方を解説・説明し体型審査の実践を勉強してもらいました。
 講義の開始に当たっては、酪農学園大学の高橋茂特任教授の開講挨拶の後、佐藤部長より講義の主題である、長命性との関わりを持つ機能的体型を得るための体型審査の役割と必要性について総体的な説明を行いました。その後、受講生は4つのグループに分かれ、それぞれの講師から体型得点形質の採点と線形形質の評価について各グループ2頭の供試牛を用い、牛の体全体、あるいは各部位の特徴や状態を指し示しながら説明と解説が進められ、実際に行われる審査と同様に体型得点形質の採点と線形形質の評価が行われました。


 供試牛の採点と評価が終わった後には、他のグループとお互いの牛を交換し受講生自らが審査の実技を行い、勉強した成果を試して今回の講座を終了しました。受講生は、強い日差しと暑さの中、真剣かつ熱心な態度で受講していました。また、講義終了時間となっても、それを気にする様子を見せることも無く、真面目に取り組んでいた彼らの姿勢が印象的でした。
 

 受講生自らが審査をする場面では、教わったことを反芻するように坐骨端に自分の手の指先を当て尻の幅を測ってみたり、牛の横に並び十字部の高さを確認したり、あるいは屈んで乳頭の長さや向きを観察する様子が見られ、一人でじっくり考え込んだり、数人で議論を交わしながらスコアシートに採点と評価の値を書き入れていました。そして、講師が発表する模範解答に、若者らしい軽やかな表情で一喜一憂している様子がありました。
 受講生にとっては、普段とは一風変わった講義であり実習であっただろうと思いますが、当組合の持つ酪農現場での技術、プロフェッショナルな技術を多少なりとも具体的に伝えることが出来たのではないかと思われます。

 今後に予定されているプロフェッショナル講座は
   【家畜育種学:乳牛の育種改良の手法と歴史に関する講義】(酪農学科1年)
  【受精卵移植論:移植技術の遺伝的改良への効果に関する講義】(酪農学科3年)
  【バイオテクノロジー:乳牛の体型と生産寿命に関する講義・乳牛の見方-良い牛と悪い牛の見分け方】(短大2年)
  【肉用家畜生産学:乳牛の体型審査】(酪農学科3年)
  【家畜育種繁殖学:乳牛の体型審査】(短大1年)
 などがあり、優れた酪農後継者や乳牛改良に関わる人材の養成に繋がるよう基礎教育の支援を果たして行くこととしています。
  
今年度の第1回の講座は、6月4日に酪農学科3年生を対象とした【家畜繁殖技術論:牛群検定の役割と乳牛改良への応用】が、河原登録部改良担当次長が講師となり開講されています。

 
     
 
       
 



    第40回海外酪農研修  
「カナダ・ホルスタイン酪農視察旅行」について 
旅行企画・実施/日本通運㈱札幌旅行支店
視察企画/北海道ホルスタイン農業協同組合・デーリィマン社
 毎年11月に催行し、多くの皆様が楽しみにされている海外酪農研修「カナダ・ホルスタイン酪農視察旅行」は、今回で第40回の節目を迎えるところではありますが、わが国が口蹄疫「非清浄国」であることを考慮し、現在、カナダ・ホルスタイン協会ならびに訪問牧場に受け入れの可否を問い合わせるなど、催行について検討しております。
 宮崎県で発生を続けた口蹄疫は7月に入って終息の方向にあり、視察旅行も催行の可能性が高まってきましたが、これまで築いてきたカナダ・ホルスタイン界との友好関係を崩さないことを基本に、催行の有無、旅行内容について7月末日に決定する所存ですので、ご了承ください。
 なお、決定の詳細につきましては、本誌9月号とデーリィマン社ホームページならびにデーリィマン9月号誌上に掲載します。
 デーリィマン社ホームページ http://www.dairyman.co.jp




日程 9月8日~9月18日

 □石狩地区
    全管内
 □空知地区
    全管内
 □十勝地区
    豊頃・浦幌・本別・足寄・陸別
 □根室地区
    西春別・中標津・計根別
 □網走地区
    紋別・上渚滑・雄武・興部・滝上・西興部

日程10月19日~10月30日

 □上川地区
    全管内
 □後志・渡島・檜山地区
    全管内
 □十勝地区
    新得・清水・芽室・鹿追・士幌・上士幌
 □釧路地区
    釧路・阿寒・鶴居・幌呂・白糠・音別・弟子屈
 □網走地区
    丸瀬布・遠軽・上湧別・湧別・芭露・生田原・白滝・留辺蘂・温根湯

日程 11月8日~11月19日

 □十勝地区
    中札内・更別・大樹・広尾・忠類
 □釧路地区
    標茶・浜中・厚岸
 □根室地区
    根室・別海・標津
 □網走地区
    北見・相内・上常呂・置戸・訓子府・端野・美幌・女満別・津別
 □留萌地区
    全管内

日程 11月29日~12月10日

 □胆振・日高地区
    全管内
 □十勝地区
    帯広・川西・大正・音更・木野・高島・池田・幕別・札内
 □根室地区
    上春別・中春別・計根別(一部)
 □網走地区
    網走・佐呂間・常呂・東藻琴・斜里・小清水・清里
 □宗谷地区
    全管内



 酪農の面影: 中央やや左に小さく見える建物は〔右の写真〕、昭和の初めに建てられたサイロで、かつてはこの地域が酪農地帯だった面影を残しています。今現在は、公園の中のサイロ風展望台に変わっています。(7月中旬の札幌市北区百合が原公園)

 
 某携帯電話のCMで有名な「お父さん」。そのお父さんの子犬が2匹産まれ「北海道犬展覧会」で親子を披露するという記事を見つけ、相方を誘って展覧会へ行ってきました。
 子犬も親犬も真っ白。子犬はまだ小さくコロッとしてとにかくかわいい。まさにぬいぐるみです。この日は公園で開催されとても日差しが強かったので、子犬はとても暑かったらしく、しゃがんで写真を撮っていたカメラマンの足の下に勝手に入り込み涼んでいました。私は「お父さん」に会うのは2回目でしたが、子犬も親犬も大人気でした。
 さて「北海道犬展覧会」を初めて観覧したのですが、まず犬の多さにびっくり。もちろん全部が北海道犬。「かじられるかもしれないから手は出さないでね」と言われたりもして、ドキドキしながら紐に繋がれた犬の間をすり抜け、会場へ向かいました。
 会場では部門ごとに犬が出場し、審査員が犬の歩き方を見ていました。「お父さん」のような真っ白な犬の他、茶・黒・ブチ模様のある犬など様々。飼い主の横にぴったりと寄り、見るからに賢そうな犬もいました。
 そして、檻の中にいる熊に向かって犬をけしかけて、態度から猟犬としての能力を競うという「獣猟競技会」も催されていました。おそらく熊と初めての対面と思われる幼犬、1度しか吠えられなかった犬、普通の散歩と変わらない犬…。しかし中には檻の中の熊がウロウロしてしまう程吠え続ける犬もいて、観客からは拍手がわき起こりました。主人に忠実で勇敢な北海道犬。素晴らしかったです。
 体が白くて尾も白いあの2匹の子犬もわんダブルと拍手をもらえるようたくましく育ってほしいです。そして自分自身もたくましく生きていかなければと思いました。
 
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