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2010-9 |
2010-Ⅰの遺伝評価成績から新しくなったNTP
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乳房成分がさらに補充、耐久性の改良がパワーアップ
体細胞数スコアの追加で、きれいな牛乳・乳房炎予防にも配慮 |
河 原 孝 吉
社団法人日本ホルスタイン登録協会北海道支局 |
平成21年12月21日に平成21年度国産種雄牛生産強化推進事業に係る総合選抜指数改善検討会(第3回)が開催され、新しいNTP(NTP2010)の計算式が決定しました。それにともない、平成22年2月の種雄牛評価成績(2010-Ⅰ)から新NTPが公表されています。前回の変更は、平成15(2003)年8月でしたから、今回は6年ぶりの改定ということになります。2月の改定では、体細胞スコア(SCS)、前乳頭の長さおよび後乳頭の配置の育種価が新しく加わり、乳房炎のような疾病を予防し、耐久性に優れ、生産寿命のさらなる延長が期待できるNTPに改善されました。
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図1.新NTPの計算式 |
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図1には、2010-Ⅰの評価(平成22年2月公表)から採用された新NTPの計算式を示しました。従来のNTP(NTP2003)は、産乳成分と体型成分の2成分から構成されていましたが、新NTP(NTP2010)は、国際的な標準方式にしたがい産乳成分、耐久性成分および疾病繁殖成分の3成分による構造に変更しました。産乳成分、耐久性成分および疾病繁殖成分に対する重み配分は、各々72%、24%および4%です。
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新NTPのもう一つの特徴は、従来のNTPよりも平均値と標準偏差が約1.5倍も大きくなり、種雄牛間および雌牛間の序列の差を明瞭に示すことができるようになったことです。ただし、2010-Ⅰの評価は、遺伝ベースを2000年から2005年生まれの雌牛の育種価平均に変更するので、その間に改良した分だけ基準が持ち上がり、育種価の数値が全体的に小さくなります。それ故、新NTPの数値の幅が大きくなっても、見かけ上の数値の大きさは従来のNTPとそれほど顕著な違いはないでしょ う。
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乳脂量と乳タンパク質量の重み配分は、27対73であり、乳タンパク質量の重みが非常に大きく、一見すると乳タンパク質量の改良を重視しているように思われます(表1)。しかし、乳脂量と乳タンパク質量に期待される年当たり改良量はそれぞれ6㎏と5㎏であり、これだけ大きな重みを乳タンパク質量に加えても、乳脂量の改良量と同程度か、わずかに低い改良量しか得られません(表2)。産乳成分は、見かけ上、乳タンパク質量ばかり改良しているようにみえますが、本当は乳タンパク質量と乳脂量が同程度に改良するように配慮されているのです。
産乳成分は、乳脂量と乳タンパク質量に対する重みだけで、乳量や無脂固形分量、さらには乳成分率の改良も期待できるように設計されています(表2)。これらの形質間には遺伝的に密接な関係(遺伝相関)があり、直接見える形質だけでなく、見えない形質も間接的に改良されます。今回改定の新NTPの中には、乳量の改良を若干ですが抑制する形質が加えられたので、その分だけ従来のNTPと比較して乳量の期待改良量が+147㎏/年から+139㎏/年に少なくなっています。しかし、その差はわずかな違いであり、むしろ後述するように生産寿命のさらなる延長が期待されることから、新NTPを使用した改良は酪農家の収入向上に役立つと考えられます。 |
| 表1.NTPの新旧、TPI(米国の選抜指数)およびLPI(カナダの選抜指数)の重み配分の比較 |
各 国 の
選抜指数 |
|
産乳成分 |
耐久性成分 |
疾病繁殖
成 分 |
|
乳脂量 |
乳タン白質量 |
機能的体型 |
生産寿命 |
体細胞数 |
その他 |
|
|
|
|
|
|
|
|
| NTP2003 |
|
20.25 |
54.75 |
25 |
- |
- |
- |
|
75 |
25 |
- |
|
|
|
|
|
|
|
|
| NTP2010 |
|
19.4 |
52.6 |
24 |
- |
4 |
- |
|
72 |
24 |
4 |
|
|
|
|
|
|
|
|
| TPI |
|
16 |
26 |
26 |
14 |
5 |
13 |
|
42 |
40 |
18 |
|
|
|
|
|
|
|
|
| LPI |
|
20.4 |
30.6 |
27.2 |
6.8 |
3 |
12 |
|
51 |
34 |
15 |
| TPIとLPIは、2010年1月12日、米国とカナダの各ホルスタイン登録協会のインターネットで確認 |
| 疾病繁殖成分中の「その他」には、繁殖能力・分娩能力および管理能力等の形質を含む |
| 2003と2010は、NTPの採用年を示している |
|
| 表2.総合指数によって期待される雌牛集団の年当たり改良量 |
| 総合指数 |
乳量 |
乳脂肪 |
乳タンパク質 |
無脂
固形分 |
決定
得点 |
乳器 |
乳用
強健性 |
肢蹄 |
体貌と
骨格 |
後乳頭
の配置 |
生産寿命 |
機能的
寿 命 |
SCS |
| NTP2003 |
+147kg |
+6kg |
+5kg |
+13kg |
+0.12 |
+0.17 |
+0.12 |
+0.04 |
+0.05 |
+0.04 |
+0.33月 |
+0.16月 |
+0.01 |
| +0.002% |
+0.002% |
+0.002% |
(+10.1日) |
(+4.9日) |
| NTP2010 |
+139kg |
+6kg |
+5kg |
+13kg |
+0.11 |
+0.18 |
+0.12 |
+0.04 |
+0.05 |
+0.02 |
+0.38月 |
+0.21月 |
-0.02 |
| +0.003% |
+0.003% |
+0.003% |
(+11.6日) |
(+6.4日) |
| SCS:体細胞スコア |
| 2003と2010は、NTPの採用年を示している |
|
 |
耐久性成分には、機能的体型と生産寿命に関係する形質が含まれます。機能的体型とは、飼養管理の容易さや手間がかからないなどの理由によって、酪農家に気に入られ長く牛群に残り、搾乳が続けられるような体型のことをいいます。具体的には、肢蹄と乳房成分(UD)が機能的体型としてNTPに含まれています。今回、UDは、従来の6形質の他に前乳頭の長さと後乳頭の配置を加えることで、さらに生産寿命の改良が期待できる成分としてバージョンアップしました(表3)。
従来からUDに含まれている乳房の6形質は、耐久性を間接的に改良するために正の方向、すなわち、前乳房と後乳房は強く高く付着し、乳房の懸垂はより強く、乳房の深さはより高く、さらに前乳頭の配置は内付きの方向に選抜するように正の重みを付加していました。前乳頭の配置は、外付傾向にあることから、これを中程度にもっていくために正の重みを付けています。一方、前乳頭の長さは搾乳管理やテートカップ装着の容易さから酪農家には短めの乳頭が好まれるようです。また、後乳頭の配置は機械搾乳の普及によって極度な内付きを避ける傾向があります。ところが、後乳頭の配置を負の方向に選抜しながら、前乳頭の配置を正の方向に選抜するには、両形質間に正の遺伝相関が存在するため、かなり難しい改良の仕方です。現在の遺伝的トレンドを見ると、前乳頭の長さは負の遺伝的トレンド、前乳頭と後乳頭の配置は正の遺伝的トレンドを示しています(図2)。新NTPを利用した場合、後乳頭の配置は従来のNTPで選抜した場合と比較し、正(内付き)の方向への反応を半分くらいに抑制することができるようになります。その結果、新NTPは、生産寿命や機能的寿命をさらに早い速度で改良することが期待できるようになります(表2)。
耐久性成分の重みを比較した場合、機能的体型が占める重み配分はNTP、TPIおよびLPIともにそれほど違いがありません。耐久性成分の占める重み配分は、生産寿命が含まれていない分だけNTPの方が小さくなっています。日本で公表されている遺伝評価値の中で、HLは生産寿命に直接関係する形質ですが、種雄牛の育種価のみ公表されています。それ故、耐久性成分には、HLの育種価を使用せずに、機能的体型、すなわち肢蹄の育種価と乳房成分のみを含めることにしました。 |
| 表3.乳房成分の新旧比較 |
| 乳房の形質 |
1995
年版 |
2003年版 |
2010年版 |
|
乳 器 |
|
|
|
|
0.32 |
|
|
|
0.17 |
|
|
前乳房の付着 |
0.22 |
|
0.16 |
 |
|
|
0.18 |
 |
|
|
後乳房の高さ |
0.14 |
|
0.10 |
|
|
0.09 |
|
|
後乳房の幅 |
0.05 |
|
|
0.68 |
|
|
|
|
乳房の懸垂 |
0.16 |
|
0.28 |
|
0.10 |
0.83 |
|
乳房の深さ |
0.35 |
|
0.35 |
|
|
0.24 |
|
前乳頭の配置 |
0.08 |
|
0.11 |
|
|
0.07 |
|
|
前乳頭の長さ |
|
|
|
|
|
|
-0.10 |
|
|
後乳頭の配置 |
|
|
|
|
|
|
-0.22 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
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図2.前乳頭の配置、前乳頭の長さおよび後乳頭の配置における遺伝的トレンド(独立行政法人家畜改良センター調べ)
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| 表2に示したように、潜在能力としての生産寿命と機能的寿命は、従来のNTPでそれぞれ+0.33月/年(約10.1日/年)と+0.16月/年(約4.9日/年)ですが、新NTPではそれぞれ+0.38月/年(約11.6日/年)と+0.21月/年(約6.4日/年)の延長が期待できるようになりました。このように、耐久性成分の重みは、TPIやLPIと比較して小さいように見えますが、新NTPを選抜に利用すれば、さらに長く牛群に留まり、生涯産乳量の改良が期待できるものと考えています。 |
 |
疾病繁殖成分は、疾病になりにくい体質と繁殖能力を改良することによって、生涯産乳能力の向上を目的にしています。しかし、今回は初めての試みということもあり、新NTPの疾病繁殖成分には、SCSの育種価のみ(1形質だけ)を利用しました。SCSに対する負の方向への直接選抜は、乳房炎の予防や乳質改善等の側面から乳生産性を向上させ、それによって生産寿命を延長させる方向へ間接選抜させることを目的にしています。ただし、SCSの遺伝率は0.08とかなり低いため、経済的に重要な形質だからといって、あまり大きな重みを配分しても、顕著に遺伝改良するわけではありません。それ故、新NTPでは4%の重みを付けましたが、TPIやLPIなどもそれほど大きい重みを配分していないことがわかります(表1)。
わが国におけるSCSの年当たり期待改良量を見ると、従来のNTPを使用した選抜では、SCSが若干上昇の方向へ反応する危険性がありますが(+0.01/年)、新NTPでは-0.02/年、すなわち負の改良量が期待されます(表2)。実を言うと、わが国のSCSの傾向は、表型的には減少しているのですが、遺伝的トレンドを調べてみると種雄牛と雌牛のSCS遺伝的トレンドは上昇傾向を示していることがわかっています(図3)。
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図3.体細胞スコア(SCS)の遺伝的トレンド(独立行政法人家畜改良センター調べ)
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|
酪農家の努力のおかげで表型的なSCSの減少は確実に遂行されているのですが、遺伝的傾向は上昇しており、これからはこの遺伝的トレンドを負の方向に変化させる必要があるわけです。今回は、疾病繁殖成分としてSCSのみを利用しましたが、今後、乳房の疾病のみならず、最近問題になっている繁殖性の低下の抑制にも役立つような形質を疾病繁殖成分に加えることも検討しています。
|
 |
最近、凍結精液がたくさん輸入されるようになり、米国のTPIやカナダのLPIを利用した輸入精液の選抜がみられるようになりました。TPIやLPIは、NTPと比べて多くの形質を含む指数なのですが、どのような形質をどれだけ改良しようとしているのか、本当のところが見えていないというのが現状だと思います。NM$はTPIやLPIと比較して選抜時の期待改良量などの詳細な情報が公開されていることから、ここではNTPとNM$を比較することで、日本と米国の改良方針の違いを考えてみたいと思います。
表4にはNM$とNTPの各々に含まれる各形質の相対的重み配分、表5には各形質の年当たりの期待改良量を示しました。
NM$もNTPと同様に今年初めから計算式が改定されたので、2010年改定の新しい指数で両者を比較してみましょう。NM$とNTPにおいて相対的重みがほぼ同じ形質は、乳脂量と肢蹄です(それぞれ19%と4%の重み)。NTPにおける乳房成分の重み20%は、NM$の7%と比較して非常に大きいのですが、これは生産寿命の多くを乳房の間接選抜で改良しているからです。NTPでもっとも大きな重みが配分されている形質は、乳タンパク質量(53%)ですが、NM$では生産寿命に対する重み(22%)がもっとも大きいことがわかります。NM$には、体のサイズ、娘牛の妊娠率および分娩形質(難産率と死産率から構成された指数)のようなNTPにはない形質も含まれています。
|
| 表4.NM$とNTPの各々に含まれる各形質の相対的重み配分 |
|
NM$2010 |
NM$2006 |
NTP2010 |
NTP2003 |
| 乳蛋白質量 |
16 |
|
23 |
|
53 |
|
55 |
|
| 乳脂量 |
19 |
|
23 |
|
19 |
|
20 |
|
| 乳 量 |
0 |
|
0 |
|
|
|
|
|
| 生産寿命 |
22 |
|
17 |
|
|
|
|
|
| 体細胞スコア |
-10 |
|
-9 |
|
-4 |
|
|
|
| 乳 房 |
7 |
|
6 |
|
20 |
|
21 |
|
| 肢 蹄 |
4 |
|
3 |
|
4 |
|
4 |
|
| 体のサイズ |
-6 |
|
-4 |
|
|
|
|
|
| 娘牛の妊娠率 % |
11 |
|
9 |
|
|
|
|
|
| 分娩能力 $ |
5 |
|
6 |
|
|
|
|
|
NTPの重み配分は標準偏差も顧慮している
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|
|
|
|
|
|
|
|
|
| 表5.NM$とNTPの各々に含まれる各形質の年当たり遺伝的改良量 |
|
NM$2010 |
NM$2006 |
NTP2010 |
NTP2003 |
| 乳蛋白質量 |
2.1 |
|
2.6 |
|
5 |
|
5 |
|
| 乳脂量 |
3.8 |
|
3.8 |
|
6 |
|
6 |
|
| 乳 量 |
69.0 |
|
86.0 |
|
139 |
|
147 |
|
| 生産寿命 月 |
0.50 |
|
0.30 |
|
0.38 |
|
0.33 |
|
| 体細胞スコア |
-0.020 |
|
-0.017 |
|
-0.02 |
|
0.01 |
|
| 乳 房 |
0.040 |
|
0.040 |
|
0.18 |
|
0.17 |
|
| 肢 蹄 |
0.040 |
|
0.030 |
|
0.04 |
|
0.04 |
|
| 体のサイズ |
-0.050 |
|
-0.040 |
|
0.02 |
* |
0.02 |
* |
| 娘牛の妊娠率 % |
0.17 |
|
0.07 |
|
|
|
|
|
| 分娩能力 $ |
1.5 |
|
1.3 |
|
|
|
|
|
*体のサイズは、高さ、強さおよび体の深さの改良量の平均
|
|
期待改良量は、NTPとNM$における相対的重みの違いにしたがって、差異が認められます(表5)。NTPを用いた選抜では乳量の期待改良量が139㎏/年ですが、NM$では69㎏/年しか期待できません。一方で、生産寿命の改良量は、NTPを使った選抜で0.38月/年(年当たり約12日)、NM$で0.50月/年(約15日)の延長が期待できます。また、NM$では、繁殖や分娩能力の改良も期待できることがわかっています。このように、NTPは、生産寿命の延長も期待できますが、泌乳能力の改良量も期待できる指数として設計されています。一方、NM$は、NTPと比較し、泌乳能力の改良量が半分程度しか期待できませんが、その代わり生産寿命の改良量を重視した指数として設計されているものと考えられます。
|
 |
NTPにおける産乳成分の相対的重みは72%であり、これはTPIの42%やLPIの51%と比較して非常に大きな重みです。もし、NTP中の産乳成分をLPIの産乳成分、さらにはTPIの産乳成分の相対的重みまで下げた場合、泌乳能力と生産寿命の改良量はどのように変化するか、非常に興味があると思います。そこで、表6にしたがって実際にNTP中の産乳成分の相対的重みを動かしたときの乳量と生産寿命の期待改良量に関してシミュレーションを行いました(図4と5)。産乳成分の相対的重みが72%の時、すなわち新NTPを使用した選抜の場合、乳量と生産寿命の改良量は前述したとおり、それぞれ139㎏/年と0.38月/年が期待されます。さらにNTP中の産乳成分の相対的重みを52%まで下げた場合、丁度これは、おおよそLPI相当の重みになると思うのですが(厳密には51%がLPI相当になります)、その場合の乳量と生産寿命の改良量はそれぞれ83㎏/年と0.47月/年(約14日/年)期待されます。さらに産乳成分の重みを下げていき、42%(TPI相当)のときの乳量と生産寿命における期待改良量はそれぞれ54㎏/年と0.48月/年(約15日/年)になります。
以上のことから、米国におけるTPIは、ほどほどの泌乳能力の改良量を維持しながら、生産寿命は最大の改良量が得られるような方針のもとで設計されていると考えられます。一方、日本のNTPは、生産寿命の改良も重要だが、泌乳能力の改良量も一定以上(具体的には乳量の改良量で100㎏/年以上期待される)維持できるような方針のもとで設計されており、泌乳能力と生産寿命のバランスの取れた改良を目指しています。乳量における実際の改良量を表7に示しました。表型的な年当たり改良量は、2000年代に入り、日米ともに50㎏台に低下しています。しかし、日本における遺伝的改良量は134㎏/年であり、米国における72㎏/年の約2倍弱の速度を維持しています。日本における生産寿命の遺伝的トレンドは、雌牛の育種価が公表されていないので詳細は不明ですが、図6のように生産寿命に影響を及ぼす機能的体型(乳器や肢蹄)が近年、改良速度を増しながら上昇していることから、期待改良量で予測されるように生産寿命も確実に改良されていると思われます。
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| 表6.図4と5の附表(NTPの産乳成分と耐久性成分を変化させた事例) |
| 産乳成分 |
耐久性 |
疾病&繁殖
成 分 |
合計 |
備 考 |
| 92.0 |
4.0 |
4 |
100 |
|
|
| 82.0 |
14.0 |
4 |
100 |
|
|
| 72.0 |
24.0 |
4 |
100 |
⇒ |
NTPの重み |
| 62.0 |
34.0 |
4 |
100 |
|
|
| 52.0 |
44.0 |
4 |
100 |
⇒ |
LPI相当 |
| 42.0 |
54.0 |
4 |
100 |
⇒ |
TPI相当 |
| 32.0 |
64.0 |
4 |
100 |
|
|
| 22.0 |
74.0 |
4 |
100 |
|
|
| 12.0 |
84.0 |
4 |
100 |
|
|
| 2.0 |
94.0 |
4 |
100 |
|
|
 |
|
| 表7.乳量における年当たり改良量の比較 |
|
|
|
1970-1980年 |
1980-1990年 |
1990-2000年 |
2000年≦ |
|
実量 |
米国 |
124 |
kg/年 |
154 |
kg/年 |
223 |
kg/年 |
53 |
kg/年 |
|
|
日本 |
109 |
kg/年 |
159 |
kg/年 |
125 |
kg/年 |
51 |
kg/年 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
雌牛 BV |
米国 |
78 |
kg/年 |
88 |
kg/年 |
94 |
kg/年 |
72 |
kg/年 |
|
|
日本 |
- |
|
30 |
kg/年 |
55 |
kg/年 |
134 |
kg/年 |
|
日本の実乳量の改良量は分娩年当たり、その他は誕生年当たり。 |
|
日本の基礎数値は独立行政法人家畜改良センターと社団法人家畜改良事業団、米国はAIPLホームページからの基礎数値を使用 |
|
|

| 図6.決定得点、乳器および肢蹄の遺伝的トレンド(独立行政法人家畜改良センター,国内評価概要2010-Ⅰ) |
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| 「TPIやLPIと同様にNTPにも産乳形質以外のいろいろな形質をもっと入れてくれ」という意見があります。このような意見を述べる人たちに「産乳形質以外のいろいろな形質」を具体的に聞くと、多くは体型形質の重みをもっと増やしてもらいたいというのが本音のようです。NTP中の泌乳能力以外の形質を増やせば、それにともない産乳量の遺伝的改良速度が当然ながら低下します。それ故、体型の重みを増やすだけで、本当の意味での生産寿命の延長につながるのかどうか慎重に検討しなければなりません。 |
というのも、表5におけるNTP2010とNM$2010の比較において、NTP2010を使用した生産寿命の改良のほとんどは乳房のような機能的体型に頼る一方で、NM$2010は乳房の改良だけではなく、繁殖性や分娩能力を同時に改良して総合的に生産寿命の延長を達成しようとしているからです。
図7には、妊娠率における表型トレンドおよび種雄牛と雌牛の遺伝的トレンドを示しました。わが国におけるホルスタインの遺伝的トレンドは、乳器、肢蹄および決定得点において確実に進んでいますが(図6)、繁殖性は表型だけでなく遺伝的にも低下を続け、いまだに歯止めがきかない状況です。つまり、生産寿命の改良は、乳房のような機能的体型の改良によって間接的に改良しているのであって、繁殖性のような形質の改良によって生産寿命が間接反応しているわけではないことを示唆しています。今回改定したNTP2010の中には、疾病繁殖成分を設けましたが、これはSCSだけでなく、将来的には繁殖性や分娩能力を改善できるような形質をNTPに追加し、機能的体型だけに頼らない生産寿命の延長を実現していく準備と考えています。
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図7.妊娠率における表型トレンドおよび種雄牛と雌牛の遺伝的トレンド(北海道における牛群検定データをもとに推定)
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平成22年7月16日公表 |
| 乳 用 牛 飼 養 動 向 |
戸数・頭数共に減少、未経産牛は北海道・都府県ともに前年より増加
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農林水産省では、平成22年2月1日現在の「畜産統計」を公表しました。それによると、乳用牛の飼養戸数・頭数は飼養者の高齢化よる廃業などで減少が続き全国の飼養戸数は2万1,900戸で前年に比べ1,200戸(5.2%)減少し、飼養頭数も148万4,000頭で前年に比べ1万6,000頭(1.1%)減少した。
前年対比を図1で見ると、北海道は搾乳牛が99.7%(-1,300頭)・乾乳牛が99.9%(-100頭)と共に減少しているのに対し、未経産牛が101.5%(+5,000頭)と増加している。この傾向は都府県でも同様で、搾乳牛が96.0%(-17,100頭)・乾乳牛が95.2%(-3,000頭)と共に減少しているのに対し、未経産牛が100.4%(+700頭)と増加している。これら未経産牛の増加は、北海道・都府県共に黒毛和種の授精が減少したことによるものと思われ、交雑種の出生頭数を2009年と比較すると、北海道では19.5%(1万5,600頭)減少し、都府県では、13.2%(2万6,700頭)減少している。
飼養戸数・頭数を図2で見ると、全国平均で一戸当たり飼養頭数は67.8頭と昨年より2.9頭増加し、昨年の2.1頭増よりも更に増加している。その中で北海道は107.5頭と昨年より2.8頭増加し、都府県も46.0頭と昨年より1.5頭増加している。年あたりの増加頭数としては過去5年で最も多くなっている。北海道・都府県共に飼養戸数が減少している中でさらに多頭化が進んでいる状況である。
飼養戸数を都道府県別に見ると、北海道が7,690戸と一番多く、次に岩手県が1,370戸、栃木県が998戸の順となっており、昨年まで3位の座を守り続けた千葉県は960戸と急激な減少(前年より80戸減少)により栃木県に3位の座を譲り渡した。なお、北海道は前年より170戸(前年対比2.2%)減少し、岩手県は60戸(前年対比4.2%)減少している。都府県の合計では14,300戸と、前年に比べ900戸(前年対比5.9%)も減少した。
|
 |
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都府県の飼養頭数合計では65万7,400頭で全国の44.3%を占め、前年に比べ1万9,400頭(前年対比-2.9%)減少している。都道府県別に見ると、北海道が82万6,800頭で最も多く全国の55.7%を占め、前年に比べ+3600頭(前年対比+0.4%)の増加となっている。次に栃木県の5万3,900頭、岩手県の4万7,600頭、熊本県の4万2,500頭の順となっている。 しかし、廃業等による飼養頭数の減少も多く、全国2番目に飼養頭数の多い栃木県が2,000頭(前年対比-3.6%)の減少と一番減少頭数が大きく、次に、千葉県の1,500頭(前年対比-3.6%)、愛知県の1,200頭(前年対比-3.6%)の順で減少している。
一戸当たりの飼養頭数を都道府県別にみると、北海道は前記の通り107.5頭で一番多く、次に昨年と同じ三重県が87.8頭で、次に愛知県が75.2頭の順となっており、飼養頭数の少ない小規模酪農家が廃業し、大規模酪農家に集約されていることが顕著に表れている。
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当組合では、今年度も組合員の海外視察研修をデーリィマン社と共催で実施すべく具体的な計画を行ってきたところでございます。
しかしながら、ご承知のとおり4月の宮崎県下での口蹄疫の発生により、10月開催予定の第13回全日本共進会が1年延期となり、それに関連する行事等も軒並み中止あるいは延期となっております。
このような状況を踏まえ、当組合として、口蹄疫発生国からの海外への視察研修の可否について、7月30日開催の第2回理事会において協議を行い、下記に示した考え方から、今年度の研修は中止することに決定し、共催のデーリィマン社様におかれましても、事情をご理解いただいたところであります。
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| 記 |
○カナダ酪農視察研修の考え方
4月20日に宮崎県下で発生した口蹄疫は、7月27日移動制限の解除がされ、8月27日にも宮崎県として終息宣言の予定である。しかし、対外的な面からすると、日本は現在も口蹄疫発生国であり、まして、今後(10月上旬)にOIE(国際獣疫事務局)へ清浄国の申請手続きを行い、来年2月に開催されるOIEの科学委員会において承認され、改めて清浄国に復帰となります。
そのような中で、来年の全共を開催する地元実行委員会の一員の立場として、また、北米特にカナダホルスタイン協会などとの永い信頼関係を今後も保持する意味からも、今年度の研修については中止することが望ましいと判断した。
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組合員女性研修会を下記の日程で開催致します。
各地区からご参加の方々と楽しいひと時を過ごし日頃の疲れを癒しませんか?
ご多用中とは思いますが、皆様お誘いあわせの上、お気軽にご参加下さい。多数のご参加をお待ちしております!
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期 日 |
11月11日(木)~11月12日(金) 1泊2日 |
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募集人数 |
30名 〔15名に満たない場合は中止〕 |
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宿 泊 先 |
湯元 小金湯 |
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札幌市南区小金湯25番地 Tel:(011)596-2111 |
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負 担 金 |
宿泊費 ⇒ 組合負担 |
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交通費 ⇒ 往復旅費の2/3を助成(全管内) |
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申 込 み |
参加を希望される方は地区の組合員協議会長又は同事務局に申込み下さい。 |
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※参加申込者には、本人宛詳細案内を別途通知いたします。 |
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※申込みのキャンセルは4日前までにご連絡願います。 |
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募集〆切 10月8日(金) |
詳細問合せ先→総務課 Tel:(011)726-3111 |
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研修日程 |
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1日目【11日(木)】 |
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2日目【12日(金)】 |
11:45 札幌駅北口集合
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10:00 ホテル発 |
12:30 昼 食(スープカレー)
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11:00 札幌駅北口着 |
14:30 北海道ホルスタイン共進会場 視察
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解散 |
ホクレン南北海道家畜市場 見学
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17:00 ホテル着(小金湯温泉)
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18:30 懇親会
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平成22年7月30(金)午後2時 |
| 京王プラザホテル札幌 |
□上川地区
全管内
□後志・渡島・檜山地区
全管内
□十勝地区
新得・清水・芽室・鹿追・士幌・上士幌
□釧路地区
釧路・阿寒・鶴居・幌呂・白糠・音別・弟子屈
□網走地区
丸瀬布・遠軽・上湧別・湧別・芭露・生田原・白滝・留辺蘂・温根湯
□十勝地区
中札内・更別・大樹・広尾・忠類
□釧路地区
標茶・浜中・厚岸
□根室地区
根室・別海・標津
□網走地区
北見・相内・上常呂・置戸・訓子府・端野・美幌・女満別・津別
□留萌地区
全管内
□胆振・日高地区
全管内
□十勝地区
帯広・川西・大正・音更・木野・高島・池田・幕別・札内
□根室地区
上春別・中春別・計根別(一部)
□網走地区
網走・佐呂間・常呂・東藻琴・斜里・小清水・清里
□宗谷地区
全管内
□石狩地区
全管内
□空知地区
全管内
□十勝地区
豊頃・浦幌・本別・足寄・陸別
□根室地区
西春別・中標津・計根別
□網走地区
紋別・上渚滑・雄武・興部・滝上・西興部
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最近、芋焼酎にはまっている。これまでいろんな種類のアルコールを口にしてきたがこれほどはまったことは今までなかった。
芋焼酎との出会いは、私が就職したての頃、実家に帰って久しぶりに父と晩酌をしたとき、勧められて飲んだ「魔王」が最初だが臭いがきつくて少ししか口にできなかった。それ以来、あまりにも焼酎は臭いからおいしくないというイメージが強くなり敬遠していた。
だが30半ばになり芋焼酎好きの義理の父親と初めて会ったとき、合わせるようにして飲んだことがきっかけで、今では独特の芋の香りがくせになり、すっかり芋焼酎の魅力にとり付かれてしまった。
焼酎は数年前のブーム以降、製造本数が少ない人気の銘柄にはプレミアがつき、一升瓶3,000円程度が4万円の高値で売買されるものまで出てきた。
愛好家としては、プレミアが付くほどの銘酒を一度は手に入れて飲んでみたいと思うのだが、高値で買っても味に値段が影響して本当においしいのかどうか分からなくなってしまいそうなので、できるだけ定価に近い芋焼酎を買って楽しんでいる。
コンビニや町の小さな酒屋で飲んだことのない芋焼酎を見つけて買って帰り、どんな味がするのかドキドキしながら封を開ける。それを口に含んだとき、口いっぱいに広がる個性を感じるのは至福の時だ。さらにそれが自分の好みの味だったときは、宝物を見つけたかのような喜びを感じる。
今では気に入った芋焼酎を二人の父に持って帰り、夜が更けるまで飲み交わすのが一番の楽しみだ。
最後に、私がこれまでに飲んだ芋焼酎の中で、おすすめは「島美人」・「三岳」だ。「島美人」は鹿児島県人に伊佐錦と並び一番飲まれている焼酎で、毎日飲んでも飽きないほどすっきりとクセがなく飲みやすい。「三岳」は屋久島の名水で仕込んだという逸品で、蒸かし芋のような香りと口当たりがものすごく良い芋焼酎だ。機会があれば是非試して欲しい逸品です。 |
| S.K |
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